水稲高温技術対策研修会を開きました
2024年03月12日
ニュース
生産者・JA向け
営農対策事業
三重県産米品質改善対策会議(事務局=JA全農みえ営農対策部)は3月5日、津市のJA三重研修所で水稲高温技術対策研修会を開催しました。JA営農指導員や県の普及員、研究員、行政職員など60人が会場とオンラインで参加しました。
近年、夏期の高温による1等米比率の低下が全国的に問題になっています。夏期の高温は今後も続いていく可能性が高いことが予想され、米の品質への影響が心配されていることから、水稲の高品質化を目的に開きました。
三重県での2023年水稲栽培を振り返り、県中央農業改良普及センターから、5~6月の寡照で茎数はやや少なかったものの、7月以降の高温・多照で粒が肥大・充実し平年並みの収量となったこと、品質面では白未熟粒が多発したことなどを報告しました。
県農業研究所から、水稲の高温対策技術を講演。品質向上対策として、早期移植による高温回避や深耕、適期中干しの実施、耐暑肥やケイ酸資材の施用、高温耐性品種の利用などを挙げました。
農研機構中日本農業研究センター上越研究拠点の石丸努上級研究員が「高温耐性品種と高温年での栽培対策」をオンラインで講演。2023年の気象概要と等級検査結果を報告しました。日本海側の等級低下からの教訓として、高温耐性品種の導入、さまざまな熟期の品種導入、主力品種の高温対策などを挙げました。
生産現場での高温ストレス軽減に関し、背白粒は玄米タンパク質含量率が低いと発生しやすく、稲の後期窒素栄養状態を適正に保つことが重要であるとしました。また、収量に影響する可能性がある不稔を防ぐため、出穂時には十分に湛水を維持するよう呼びかけました。