麦ができるまで
播種の前に…
- 選種と種子消毒 よい麦を作るには、よい種子(発芽力が十分にあり、充実していること)を選ぶことからはじまります。また、種子伝染病の病害にかからないよう、種子消毒をすることが重要です。
- 耕起・整地排水対策 播種前に、耕起・整地を丁寧におこなうことが、初期生育を旺盛にするために必要です。また、麦は湿害に弱いことから、排水溝を設ける等十分な排水対策も重要です。
播種
麦は適期播種が大切です。早まきすると、初期生育は良いのですが、後期の生育が劣ったり、凍霜害に弱い麦となります。
逆に遅まきすると、生育が遅れ、低収量になってしまいます。
播種の適期は、栽培する地域、麦種、品種ごとに異なりますので、これらに合わせた時期に播種することが必要です。
生育
麦は冬に分けつし、春先から穂が伸びて出穂します。この間は次の管理が必要です。
- 除草:雑草発生初期に除草剤等で防除することが大切です。
- 麦ふみ:次の効果があります。
- 根と土が密着するので、麦の枯死を防ぐ。
- 根際の乾燥を防いだり、根張りが良くなり耐干性が増す。
- 穂数が増加したり、穂揃いが良くなる。
出穂
茎立ち後、1ヶ月前後で止葉(いちばん最後に出る茎)が出て出穂がはじまります。全体が出穂するまで1週間程度かかります。秋まき小麦の出穂は、おおむね4月下旬から5月上旬です。
収穫
成熟期は、小麦で出穂後42~45日、大麦は出穂後38~40日目ぐらいで、水分が35%前後になった時を言います。
麦の収穫期は梅雨期と重なりやすく、3日以上雨に当たると穂発芽や品質の劣化をまねくので、収穫時期の目途がたてば、天候に注意し、適期に収穫することが重要です。
乾燥・調製
乾燥は、水分含量が農産物検査規格が定められている小麦12.5%以下、大豆13.0%以下、はだか麦13%以下にする必要があります。
乾燥の仕方が悪いと、品質が大きく低下しますので、丁寧におこなうことが大切です。
乾燥後、農産物検査規格にあったふるい目により、調整をおこない、1等麦を目指します。