おおいたの農畜産物

産地の概要

大分県はその面積の70%が山林で、水田・耕地は県北地域や大分市郡域、主要河川流域の一部を除いては、大部分は谷あいの河川流域に拓かれています。平野部では水量の豊富な河川、中山間の谷あいでは豊富な湧水に恵まれ、干ばつの影響を受けにくいこと、品質や食味を大きく左右する昼夜の温度差が大きいこと、盛んな畜産による堆きゅう肥を利用した土づくりを行っていることなどが良食味米産地といわれる所以です。さらに大分県の特徴として特筆すべきは、九州高峰のひとつである久住山系を有し、日本列島の縮図といわれるように海抜0~800mのなかで、標高ごとに条件のあった品種を選定し、良質米の生産が行われているということです。また地域によって土質や土地条件が異なり、成り立ちも違うことから、それぞれに高品質・安定生産に向けた土壌改良や基盤整理に積極的に取り組んでいます。

代表地域の特徴

(1)平坦部(標高0~100m)

県北部に位置する中津、宇佐地域をはじめ、国東半島一帯、大野川及び大分川流域や県南部を流れる番匠川流域の一部などがあります。これらの地域は平野部にひろがる水田地帯や県内有数の水量を誇る河川の下流域に位置していて、特に県北地域では大規模農家も多く、県内最大の穀倉地帯を形成しています。この地域で作付けされている主な品種は、早期コシヒカリ、ヒノヒカリ、にこまるとなっています。

(2)中間地域(標高100~300m)

大分県下の良食味米産地の多くはこの地域に多く、国東半島北西部や大野川、大分川、玖珠川(筑後川)、山国川などの中流域にあたり、水も豊富で、良質土壌でもあります。栽培品種はヒノヒカリが主体であり、気象災害回避や適期刈取のためにも作期分散としてヒノヒカリに続く優良品種として、つや姫等の導入もすすめています。

(3)山間地域(標高300m~600m)

当地域は県下主要河川の上流域に拓けた盆地から中間地までの水田地帯であり、畜産も盛んなことから土づくりには欠かせない堆きゅう肥も豊富で、盆地特有の気象条件と、良質土壌によってひとめぼれとヒノヒカリが作付けされ、県内屈指の良質米産地となっています。

(4)高冷地(標高600m以上)

久住山系の裾野に広がる久住および飯田地域は、高原地帯にあり、冷涼な気候であるためコシヒカリを4月下旬に田植えをし、9月下旬には刈取りをするという県内でも他の地域とは異なる栽培が行われています。