実証栽培施設を活用したトマトの生産振興の取り組み
2020年03月06日
自己改革の取り組み
JA全農ではトマトの実証栽培施設「ゆめファーム全農とちぎ」を設置し、生産者の手取り向上に貢献するため、高度栽培管理技術(ソフト)および施設・資材(ハード)の実証を行っています。また、実証したデータをもとにした研修や講演を実施し、栽培技術の普及にも取り組みます。今回は2019年度の取り組みに一部をご紹介します。
ゆめファーム全農とちぎについて
「ゆめファーム全農とちぎ」は平成26年に運営を開始し、現在6作目の栽培に挑戦しています。サンファーム・オオヤマの大山会長の指導のもと、手取り向上につながる技術や施設・資材の開発、実証と営農モデルの構築および実証成果の普及を目指しています。具体的には、生育状況や気象状況に合わせた環境制御システムの活用、効果的な施肥管理方法の検討、高軒高ハウスに適した収益性の高い品種の選定および試作に取り組んでいます。平成30年度まで、5作連続で栽培面積あたり40t/10a超の収量を実現しています。
実証成果の普及例
【栃木県農業大学校への水平展開】
栃木県農業大学校にゆめファーム全農とちぎと同タイプの高軒高ハウスを贈呈し、技術や実証データの水平展開を図っています。
2月17日には農大生との意見交換会を実施。品種ごとの栽培状況や環境データの比較、今後の管理について本会職員と情報交換を行うなど、将来の後継者育成に向けて取り組んています。
【県内生産者圃場での活用】
JAおやま管内の㈱小林菜園では昨年6月、ゆめファーム全農とちぎの実証成果を活用した次世代型高軒高ハウスを建設しました。管内・県内の高度な施設園芸技術の普及や担い手の育成に貢献することが期待されています。
小林代表は「地域全体で実証した技術を共有できるよう取り組んでいきたい」と意気込んでいます。
【生産者向け講習会の実施】
ゆめファーム全農とちぎのある下都賀地区の生産者を対象に、定期的に「技術習得勉強会(合同開催:十千木塾)」を開き、実証した技術の紹介や外部講師による情報提供を行っています。講習会と同時開催でゆめファーム全農とちぎの見学を行い、生産者の手取り最大化を支援しています。