栗の生産量日本一を誇る茨城県。温暖な気候と年間の降水量が少ない千代田地区は、果樹の栽培に適しているといわれ、古くから栗、梨、ぶどう、柿などの秋の味覚に恵まれている土地です。 産地だより

川井さんの栗

栗の生産量日本一を誇る茨城県。温暖な気候と年間の降水量が少ない千代田地区は、果樹の栽培に適しているといわれ、古くから栗、梨、ぶどう、柿などの秋の味覚に恵まれている土地です。

栗の生産日本一

JA土浦 栗部会 部会長 川井 宏明さん
JA土浦 栗部会 部会長 川井 宏明さん

日本百名山の一つ、広大な関東平野にそびえ立つ紫峰筑波山の山麓に位置する「かすみがうら市千代田地区(旧千代田町)」。温暖な気候と年間の降水量が少ない千代田地区は、果樹の栽培に適しているといわれ、古くから栗、梨、ぶどう、柿などの秋の味覚に恵まれている土地です。特にその中でも秋の味覚に代表される栗は、茨城県が生産量日本一を誇っており、川井さんが丹精こめて育てる栗は、この千代田地区の農園で収穫されます。

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受け継いだ栗作り

川井さんの栗作りのはじまりは、昭和30年代から続く実家の栗園を、会社勤めの合間に手伝った事がきっかけでした。定年後に就農して、本格的に専念するようになり親の代から引き継ぎました。わからないことが多く「必死で勉強したね」と、笑う川井さん。特に栗の葉が落ちた頃、11月から2月におこなう剪定では、その手入れ次第で実の大きさや品質そのものにも影響を及ぼすため、県内外の栗農家まで足を運びやり方を模索してきたそうです。ベテランとなった今でも、全国の栗研究大会などへ参加し続けており、栽培についての研究を重ねていると話していました。

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栽培方法へのこだわり

川井さんの栗林に広がるのは「丹沢(たんざわ)」、「筑波(つくば)」、「石鎚(いしづち)」などをはじめとする、7品種を主とする栗の木です。収穫は8月下旬からスタートし、9月上旬がまさに収穫の最盛期。

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品種ごとに整列して植えられた栗園はとても美しく、5m×5mと樹間を広く開けた栗の木は、その一本一本が枝の先まで陽の光をしっかりと浴びていました。これだけ広い間隔をとるのには理由があるのだそうです。

「受粉樹との間隔は10m以内が良いと言われており、受粉効率をあげる配植にしている。この広さなら除草機も使える。色々と効率をあげる栽培方法も考えているんだ。」と教えてくださいました。川井さんは栽培効率だけではなく、栗の実の品質を向上させるためにと、徹底した整枝管理による低樹高栽培に取り組み、安全・安心な栗を届けるため、無農薬栽培にもこだわってきたそうです。

品種への取り組み

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現在、全国の生産地で注目されている品種が、「ぽろたん」と名付けられた大粒の栗です。皮が剥きやすい中国産の栗に対して、国産の栗は、甘みや香りは良いのに渋皮が剥がれにくいとされてきたため、家庭での調理には手間がかかっていました。

ところが、この「ぽろたん」は、甘みと風味の良い国産栗の特徴はそのままに、加熱することでぽろっと綺麗に渋皮や鬼皮をむくことができ、皮剥きに手間がかかりません。
もっと手軽に美味しい国産の栗を味わってほしいという思いから、特に力をいれている品種なのだそうです。

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栗の渋皮煮には「筑波(つくば)、石鎚(いしづち)」、甘露煮には「丹沢(たんざわ)」などの品種が向いているといわれており、栗ご飯や、茹でた栗をそのまま召し上がるなら、「利平(りへい)」がお薦めです。

挑戦と取り組み

最後に川井さんに、今後の夢や挑戦したいことをお伺いしました。
「今年から部会長になって、改めて栗農家の後継者が減っていることに危機感を感じた。美味しい栗作りを部会員の若い人につなげていきたい。後継者を育てるための勉強会がしたいし、どうすればサポートしていけるのか、その課題に取り組んでいきたい。」という熱い意気込みを語ってくださいました。

秋の味覚、JA土浦 栗部会の甘くてホクホクな栗をぜひご家族でお楽しみください。

取材協力

JA水郷つくば 千代田支店

〒315-0066 茨城県かすみがうら市中佐谷243-2

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