秋から翌年の初夏にかけて
出荷される"かわちなす"

なすは通常夏に収穫される野菜ですが、JA稲敷かわちなす部会は県内でも数少ないなすの促成栽培をおこない、秋から翌年の初夏にかけて越冬させながら収穫をしています。収穫されたなすは「かわちなす」として、茨城県内と京浜地域に出荷しています。産地である稲敷市と河内町は冬でも比較的温暖で晴れた日が多く、雪も少ないため、ビニールハウスでの促成栽培に最適な環境が整っています。さらに消費地にも近いため最短では当日の朝に収穫したなすを市場に届けることができます。
多様な生産者が集い、
相乗効果でより良いなすづくりを

右:部会長 坂本さん
JA稲敷かわちなす部会は平成9年に発足しました。部会発足以前は一般的な作型でなすを栽培していましたが、稲作が盛んな稲敷市と河内町で冬にも収入が得られるように、なすの促成栽培に目をつけ、3人の生産者で部会を立ち上げました。部会の立ち上げに携わった2人の生産者が河内町で栽培していたことから「かわちなす」と名付けられました。
部会にはJA職員として働いていた方や90歳現役を目指す農業一筋の方、アグリテックに精通している方など、さまざまな背景を持つ7人の生産者が所属し、各々の考えや特長を活かしながら栽培をおこなっています。
約10か月間安定して、
おいしい"かわちなす"を届けるために
部会では稲作地域ならではの特長を活かし、糠などの有機質を活用した土づくりに取り組むことで、土壌環境を改善し良い品質のなすを育てています。また、今後も安定して収穫できるよう近年の猛暑に対応する品種選定にも力を入れています。最近では部会発足当初から栽培している「式部」に加え、新たに「PC鶴丸」「とげなし輝楽」を導入しました。
柔軟性をもって販売者が売りやすく、
生産者が作りやすいように
収穫したなすは出荷後すぐに店頭に並べられるように、すべて袋詰めしています。袋詰めする際は一般的にはヘタを上向きにしますが、素早く作業がおこなえるように市場に交渉し部会ではヘタを下向きに詰めています。また、選果基準は一般的な出荷規格を参考に、販売者が売りやすく生産者が作りやすいように等級をより明確にした部会独自の基準で選果しています。

さらに部会では定期的な勉強会や先進地と市場の視察に加え、出荷期間中は毎月目揃え会を実施しています。坂本さんは頻繁に目揃え会を実施する理由について「時期によって温度や湿度、日照時間が変わり色づきや生育スピードも違うので毎月実施しています。あわせて近況報告や情報交換をして、良い意見はタイムリーに取り入れられるようにもしています。各生産者の圃場によって栽培条件が全く異なるので部会での厳格な栽培ルールを設けず、良い品物を作るという指針で取り組んでいます。」と話してくれました。
部会発足から
変わらぬ情熱で育む"かわちなす"

坂本さんに今後の目標について伺うと「目標はこれからも変わらずお客様に喜んでいただけるように、収量や品質を落とさず安定して出荷していくことです。どの生産者のなすも想いが込められ味わい深くできているのでJA稲敷かわちなす部会の"かわちなす"をぜひご賞味ください。」と話してくれました。
JA稲敷かわちなす部会のかわちなすは茨城県内と首都圏内の各量販店のほか、JA稲敷新利根直売所でもお買い求めいただけます。
取材協力
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JA稲敷 新利根直売所
〒300-1415 茨城県稲敷市中山4465-2
- TEL :
- 0297-87-5871