県内唯一でありながら全国有数のせり産地

会長 古渡さん
霞ヶ浦と北浦の間に位置する行方市は、県内唯一のせり産地です。市に隣接した湖の豊富な水源と地下水を活かし古くからせりの栽培が盛んにおこなわれています。
JAなめがたしおさい せり部会連絡会は玉造地区、麻生地区、北浦地区の70名の生産者が所属し、10月から翌5月までせりを京浜地域に出荷しています。会長を務める古渡さんは両親の代からせりの栽培をされており、古渡さんのせり栽培歴は50年以上にもなります。この地域は古渡さんと同じように長くせりを栽培されている生産者がたくさんいます。
地下水で育てる品質の高いせり
寒い時期には水が凍結しないように地下水をかけ流しています。地下水は14〜15度と温かく、寒い時間帯にはもくもくと湯気が立ち込めるそうです。
収穫は葉の表面が凍っている早朝を避け、午前中に胴長を着て水に腰まで浸かりながら作業をおこないます。せりが折れたり、根が切れたりしないように、株元の土を手で深く掘り、泥を落としながら収穫をします。
1本1本、手作業で選別
収穫後はせりについた泥を地下水で洗い流し、選別作業をおこないます。「せり栽培はすべてが手作業なのでどの工程も手間がかかりますが、枯れた葉を取り除いて1本1本綺麗にする選別作業は特に時間がかかります。農家さんによっては夜まで作業している方もいるんですよ。洗浄した後は水を含んでいるので乾いた時に120gになるように束にします。」と古渡さんは話します。 選別作業後、葉が弱ってしまうので風に当たらないようにし、鮮度を維持するために約2度に保たれた予冷庫に保管し、収穫の翌日には出荷します。
産地を維持し続けていきたい
古渡さんに今後の目標を伺うと「今後の目標はこれからも栽培を続けていき、この産地を維持していくことです。部会では後継者不足が課題となっていますが、生産者みんながそれぞれ一生懸命においしいせりになるよう育てています。せりご飯や天ぷら、おひたしなど、せりは結構いろいろな食べ方ができますので、ぜひ味わってみてください。せりは、根っこまでも食べられますよ。」と想いやおすすめのレシピも教えてくれました。
JAなめがたしおさい せり部会連絡会のせりは各地の量販店でお買い求めいただけます。香り豊かなシャキシャキとしたせりを、ぜひご賞味ください。
取材協力
JAなめがたしおさい なめがた地域センター
〒311-3835 茨城県行方市島並857-35
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