昭和20年から続く小菊づくり
お盆やお彼岸には欠かせない花として、多くの人に親しまれている小菊。
笠間市友部地区では多彩な花き類栽培が盛んで、なかでも小菊は県内一の出荷量を誇ります。栽培の歴史は昭和20年頃、旧友部町の農家が植えた1株の菊苗から始まりました。昭和47年には花き部会が発足し、栽培技術を受け継ぎながら産地を発展させてきました。現在、JA常陸笠間地区花き部会には57人の生産者が所属し、約150品種を5月から12月まで京浜市場や県内市場へ出荷しています。
今回は2024年にAmoreに登場していただいた齋藤さんに小菊づくりへのこだわりについてお話を伺いました。
花だけでなく葉まで美しく育てる
小菊は虫がつきやすい品目で花や葉、茎まで美しい状態で出荷するためには、こまめな手入れが欠かせません。齋藤さんは「菊は花ももちろんですが、実は葉も重要なんです。葉の表も裏もきれいに育つように毎日圃場を見回り、小さな変化も見逃さないようにしています。」と話します。約4か月におよぶ栽培期間中は週に1回のペースで防除をおこない、薬剤もローテーションすることで病害虫に抵抗性がつかないよう工夫しています。
また、長くまっすぐ伸びた立姿に育てるため、品種ごとにマス目の間隔が異なるフラワーネットを張り、生育に合わせて高さを調整しながら一株一株丁寧に育てています。
狙った時期に合わせる開花調整技術
小菊の需要は8月・9月に最も高まります。近年は温暖化などの影響で開花時期の調整が難しくなるなか、部会で30年以上培ってきた電照栽培技術により需要が集中する時期でも安定した出荷を続けています。
収穫は日の出とともに始まり、選別と水揚げをおこなった翌日に箱詰めします。「蕾のなかに虫がいることがあってはならないので、よく確認しながら収穫しています。お墓参りをする人たちを想像しながら、いいものを届けたいという一心です。」と齋藤さんは話します。集荷場へ持ち込まれた小菊はJA職員がすべての箱を開封し、等階級や品種、本数などを再確認してから出荷されます。厳しい基準と徹底した品質管理により、市場からも高い評価を得ています。
産地を未来へつなぐ
今後について齋藤さんは「先輩方から学んだ技術を大切にしながら、これからも品質にこだわって安定した出荷を続けていきたいです」と話します。
部会では品質向上のため、生産者の圃場を回り生育状況の確認や意見交換をおこなう現地検討会などの実施に加え、関係機関と連携しながら省力化技術の導入・普及も進めています。近年では笠間市の支援が後押しとなり機械導入が進み、齋藤さんの圃場でもピーク時に1日2万株以上を植え付ける作業時間が大幅に短縮されました。高い品質を維持しながら生産者の負担を軽減することが、この地域の小菊栽培を未来へつないでいく大きな鍵となっています。
最後に、齋藤さんは「暑すぎない場所に飾り、毎日の水替えと水切りをしながら、長く愛でていただけたらうれしいです」と、小菊を長く楽しむコツを教えてくれました。
ぜひ、JA常陸笠間地区花き部会の小菊を飾って、お盆やお彼岸を迎えてみませんか。
取材協力
JA常陸 友部花卉センター
〒309-1715 茨城県笠間市湯崎1231-1
- TEL :
- 0296-77-8164





