柿は中国や日本など東アジアが原産と言われています。日本で多くの品種が生まれ、ヨーロッパやアメリカには日本から伝わりました。学名「Diospyros kaki(ディオスピーロスカキ)」に「Kaki」がそのまま使われている事からも、日本を代表する果物と言えます。英語「Persimmon」と呼ばれる、実の小さなアメリカガキがありますが、日本の柿とは種類が異なります。
柿は"甘柿"と"渋柿"に分けられ、中には"不完全甘柿"といわれるものもあります。柿の品種は1000種近くあると言われていますが、甘柿の種類はその中で20種類足らずです。甘柿の代表は富有柿で、甘柿生産量の約80%を占めています。渋柿の約80%は元から種がない"平核無柿(ひらたねなしがき)"で、炭酸ガスなどを使って柿渋を抜いて出荷されます。「合わせ柿」または「さわし柿」と呼ばれ、偏平で四角に角張っています。種無しなので食べやすいのも特徴です。その他、干し柿に加工されます。"不完全甘柿"は、種が入ると甘くなり、種が入らないと渋が残る柿で、「西村早生」などの品種があります。
柿の渋みは"シブオール"という水溶性のタンニンで、食べると唾液に溶けて渋さを感じます。甘柿は熟すにつれ不溶性になり渋みが感じられなくなりますが、渋柿は不溶性にならず渋みが抜けません。「ごま」と呼ばれる、甘柿の果肉に見られる黒い点が不溶性のタンニンです。
栄養面では、体内に吸収されるとビタミンCとなって作用する「プロビタミンC」が含まれているのが特徴です。大きめの柿1個で1日分のビタミンCの必要量をほぼ摂取することができると言われています。また、ビタミンAも多く含まれています。
カテロン類、カリウムなどのミネラル類、タンニン類、食物繊維なども豊富です。
ただし食べすぎると、体を冷やしてしまったり、弊害を及ぼすことがあるので注意しましょう。とくに空腹時に多食すると、消化不良をおこしたり、便秘の原因になったりします。また、タンニンが体内で鉄と結合して、鉄分の吸収を阻害します。
柿は早いものは8月中旬頃から収穫が始まり、富有柿などは11月から本格的な収穫期に入ります。皮の色とつやが良く張りのあるもの、実はかためで、ヘたも緑色で、しっかりついているものを選びましょう。
生でそのまま食べる他、なますやサラダに加えたり、あえ物にしてもおいしくいただけます。柿の葉の若葉はおひたし、ごまあえ、てんぷらなどに利用されます。
主な産地
選び方
- 品種によって異なるため難しいが、一般的には形が整っていて、果皮にツヤと張りがあるもの。
- ヘタの緑が鮮やかで、ヘタと果実との間に隙間がないもの。
- 赤みの濃い重量感のあるもの。
保存方法
- 乾燥しないように薄いポリエチレン袋に入れ密閉し、冷蔵庫又は日の当たらない涼しいところで保存。
免疫力を高める健康食べ物・栄養食品効果効能ナビより一部抜粋
旬の食材百科より一部抜粋