茨城県は全国でもトップクラスの梨の生産地です。
特に鬼怒川流域や霞ヶ浦近隣での生産の歴史は古く、石岡市では温暖で恵まれた自然を活かし、なんと100年以上前から栽培がおこなわれてきました。 産地だより

岡野さんの梨

茨城県は全国でもトップクラスの梨の生産地です。 特に鬼怒川流域や霞ヶ浦近隣での生産の歴史は古く、石岡市では温暖で恵まれた自然を活かし、なんと100年以上前から栽培がおこなわれてきました。

新たな出発

JA新ひたち野 石岡梨部会 部長 部会長 岡野 孝雄さん
JA新ひたち野 石岡梨部会
部会長 岡野 孝雄さん

茨城県は全国でもトップクラスの梨の生産地です。
特に鬼怒川流域や霞ヶ浦近隣での生産の歴史は古く、石岡市では温暖で恵まれた自然を活かし、なんと100年以上前から栽培がおこなわれてきました。

JA新ひたち野 石岡梨部会も結成から40年以上と石岡の梨栽培を支えてきた歴史ある部会の一つです。7月中旬のハウス栽培の幸水を皮切りに、露地栽培の幸水、豊水、あきづき、新高、そして茨城県のオリジナル品種の恵水と10月まで季節ごとに旬の品種に変えながら長い期間出荷しています。
幸水は甘みが強くしゃりっとした爽やかな食感が人気の梨です。

平成30年度より同じJA新ひたち野の管轄内の一つである、美野里梨部会と合併し部会員が56名に増えたこともあり、シーズン終了まで1箱10kg、7万ケースの出荷が見込まれています。

JA新ひたち野 石岡梨部会の部会長を務める岡野さんは代々梨生産をおこなう農家の3代目。
3人兄弟の長男だったこともあり、物心ついた頃から将来は家業を継ぐことを強く意識していたそうです。大学では果樹栽培を専攻し就農後も研修会に積極的に参加して技術を磨かれました。
品質を高めるために知り合いの養豚農家から仕入れた豚糞を根元にたっぷりと混ぜ合わせ栄養豊富な土づくりをおこなっています。

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ありのみブランド

2016年度より、石岡市内の2JA(JA新ひたち野、JAやさと)が共同で梨のブランド化を進めています。
最も糖度が高い梨が収穫できる樹木を選び、従来よりも厳しい摘芯、摘果栽培を経て生産された「幸水」は、糖度12%以上、4Lサイズ以上のものを石岡最高級梨「ありのみ」として出荷しています。ありのみは梨の縁起をかついだ別名「有りの実」が由来です。

高度なスキルが必要な剪定

収穫が終わると12月から剪定をおこない、その後交配、摘蕾・摘果作業と梨栽培には多くの手間と時間がかかります。特に剪定は落葉後、枝の伸び方を考慮して花芽がついた枝を選ぶ最も重要な作業のひとつです。部会では主枝を2~3本に伸ばす仕立て方法が主流ですが、成長後に枝同士がぶつからないよう見極めながら剪定するには熟練の目と知識を活かした戦略が必要不可欠と言えるでしょう。

剪定講習会を定期的に開催していますが生産者の高齢化に伴い、部員の圃場の剪定作業を手伝うこともあったそうです。

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新技術を活用して省力化

岡野さんはJA新ひたち野の理事を経て、JA新ひたち野 石岡梨部会の部会長と茨城県梨組合連合会の会長を務めています。
梨組合連合会は全国の梨生産者や研究機関による、栽培技術の共有がおこなわれており、岡野さんはこの連合会で紹介された梨(恵水)のジョイント栽培(神奈川県農業技術センター考案)や根域制限栽培をご自身の圃場で導入しています。

ジョイント栽培は、定植2年目の苗を一定方向に棚付けし、主枝を一方に伸ばして樹と樹をつなげる育成方法です。成長とともに枝の先端が隣の樹に接木するので養分を全体にまんべんなくいきわたらせ、健康な樹木に育てることができます。
また、今まで高度な技術を必要とされていた剪定も枝の先端部分のみの剪定で済むため大幅な労働力の省力化が図れるそうです。

「現在部内では高齢化、後継者問題への早急な対策が必要となっています。連合会や研修で得た技術を最大限に活用して労働の省力化が図れれば、生産者はさらなる品質向上に注力することができるでしょう。ジョイント栽培は、通常の栽培よりも早くに収穫ができますので、今後とても期待を持っている栽培技術です。部会員にも紹介できればと考えています。」と岡野さんは意気込みを語ってくださいました。
梨栽培への情熱をそそぐ石岡梨部会が育てた、太陽の恵みをたっぷりと受けた石岡の梨をどうぞご賞味ください!

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取材協力

JA新ひたち野 石岡支店

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