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農作業安全情報

2020年8月27日

【注意!】秋期繁忙期の農作業安全

日本では農作業による死亡事故が平成30年には250件以上発生しており、そのうちの多くが農業機械による死亡事故です。
今回は、秋の繁忙期を迎えるにあたり、農作業安全に関して対策方法などをお伝えします。

【トラクター】
使用頻度が高い乗用型トラクターの事故が多く、要因としては「機械の転倒・転落」が数多い状況です。
他には「片ブレーキでの事故」なども注意が必要です。
作業を終了し進入路を上がる前に、必ずブレーキの連結ロックをしましょう。
「進入路やあゆみ板を上がっている途中に片ブレーキを踏んで急旋回=転倒する」といった可能性があります。
トラクターには安全装置として「シートベルト」や「安全フレーム」があり、「安全フレーム」は平成7年に装着が義務化されました。
作業時には必ず安全フレームは立てた状態で、作業者はシートベルトを装着しましょう。


トラクター
出典:「農作業安全の啓発資料」(農林水産省) (https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/siryo.html )を編集して作成

【刈払機(草刈機)】
事故発生率が高いものに「刈払機(草刈機)」があります。
複数人で作業を行う時は事前に作業計画や注意事項をよく話し合い、
十分なコミュニケーションをとって作業を行うことが大切です。
服装は「ヘルメット」靴は山で滑らない「スパイク付き」「長袖長ズボン」
保護部は「頭、顔、手、足」「頭に付ける防護カバー(眼鏡)」が必要です。
「楽な姿勢」を保ち、草刈り時は「人と近接作業は禁止」です。
農作業中に周囲の人を機械に巻き込んでしまう事故も発生しています。
また、作業による「振動障害」にも注意が必要ですので、定期的な休憩(30分程度ずつ)を心掛けましょう。
刈払機
出典:「刈払機(草刈機)による事故に注意しましょう!-手指の切断、目の負傷などの事故が発生しています-」(消費者庁)
(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_032/l )を編集して作成

【コンバイン】
秋、稲刈り時期には欠かせないコンバイン。しかし、残暑が残る中での作業となり注意散漫になりがちです。
事故の要因として多いのは「移動・走行中の転落・転倒」「手こぎ中の巻き込まれ」などです。
最近のコンバインは大型化しており、オペレーターから見えない死角も拡大しています。
特に、収穫の隅刈り時にバックして畦を乗り越えて転落、道路からはみ出しての転落など重大事故が起こっています。
コンバインはカバーをとると、回転物だらけです。点検時は必ずエンジンを止めることが原則です。
「手こぎ」での事故は、稲の正しい投げ込み方や、きちんとした服装の徹底で防ぐことが出来ます。
コンバイン                 コンバイン
出典:「農作業安全の啓発資料」(農林水産省)
(https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/siryo.html )を編集して作成

【そのほかにも・・・】
近年は気温の上昇により、作業中の「熱中症」も増えてきました。
その対策として「空調服」をオススメします。
近年はバッテリー型の空調服が普及してきましたし、暑い中での作業用にさまざまなタイプの耐暑服があります。
昔の空調服は農業には向かないことや、送風ファンはあるが、身体を冷却できる手軽なものは多くありませんでした。
空調服は大量の空気が流れることにより汗の蒸発を促進し、快適な状況を保ちます。
また裏側がチタン生地のものは、紫外線、赤外線を一定レベルで防ぐ効果が期待でき、
日焼け・健康障害の防止に役立ち、赤外線を通さないので体温の上昇も防ぎます。

農業機械は現代農業を営む上でなくてはならないものですが、十分に注意して使用しないと、大きな事故を引き起こしてしまいます。
作業中に常に気を配り続けるのは難しいことですが、体調管理や作業計画など基本的なことの準備を怠らず、収穫の秋を乗り切りましょう!