農業機械情報
2022年9月15日農作業事故を発生させないために
国内では農作業による事故が令和2年は250件以上発生しており、そのうち「農業機械に係る事故」が7割を占め、10万人当たりの死亡者数が過去10年で最も高い水準で発生しています。
本ページでは特に稲刈り時期に多い「コンバイン」の事故事例と作業をする上での注意点をお伝えします。
また、事故を未然に防ぐためのJAグループの取り組みを紹介します。
コンバインの事故事例として、走行時・後進時による「転落・転倒」が多発しています。
隅刈り時にバックして、畦を乗り越え転倒してしまうという事故、道路をはみ出して横転してしまうという事故も発生しています。
十分余裕を持った隅刈りや、コンバインは運転席から「死角」となる中で、特に後進時には勘に頼らず安全確認をし、確実な運転を心がけましょう。また、狭い場所では路肩を確認するなど慎重に作業を行いましょう

他にも納屋からの出入りや、作業中の脱穀部への巻き込みという事例もあります。
手こぎ作業中は、手袋や作業着の袖が引っかかると危険ですので、袖口が広がっている服は避け、正しい服装で作業を行いましょう。
また、巻きついた藁を引っ張る際には、必ずエンジンを停止してから行いましょう。


出展:「農作業安全の啓発資料」(農林水産省)
(https://www.maff.go.jp/j/seisan/sien/sizai/s_kikaika/anzen/siryo.html#combine)を編集して作成
JAグループでは、農林水産省、全国農業協同組合中央会等と連携し、
「秋の農作業安全月間【令和4年9月1日(木)~10月31日(月)】を設定し、
「しめよう!シートベルト」を重点テーマに、農業機械作業におけるシートベルト着用の徹底など、安全対策を見直す運動を展開しています。

<画像をクリックするとPDFファイルをご覧いただけます>
特に死亡事故の3割を占めるトラクター走行時の
「安全フレーム」「シートベルト」「ヘルメット」の装備・装着は必須であり、
シートベルトの装着により事故発生時の死亡率を24.5%から3%にまで低減できることが過去データからも明らかになっています。
事故を未然に防ぐために、
「機械の点検・メンテナンス」「作業環境の整備」「作業手順の確認」など基本的なチェックと併せて 「作業前点検の実施」がとても大切です。
作業を始める前に、下記項目をチェックしてみましょう!
・農作業にふさわしい服装をしていますか?
・今日は時間に余裕を持った作業スケジュールですか?
・緊急時に対応できるように、携帯電話は携行していますか?
・万が一の事故に備えて、近くに救急箱が設置されていますか?
農業を営む上で「機械」は必要不可欠ですが、
正しい使用方法を理解して作業しなければ、大きな事故を引き起こす原因となります。
一人一人が危険な作業をしているという「自覚」を持って作業に臨み、
今後も事故なく安全な農作業に取り組みましょう!
困ったことがあれば、最寄りのJA農機センターまでご相談ください!
https://www.zennoh.or.jp/ib/contents/make/nouki_center.html