アルストロメリア

チリを中心にブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米に60~100の野生種が分布します。砂漠や砂丘に自生するものもあれば、森林に育つものもあり種によって生育地はまちまちで性質も異なります。原産地とその花姿から「ペールのユリ」「インカ帝国のユリ」などの異名があります。和名は「ユリズイセン※1」です。以前はヒガンバナ科に分類されていましたが、現在では新たに設けられたユリズイセン科に属します。

地下茎を伸ばして地中に白くてやや細長い球根(塊根※2)をつくります。花の最盛期は5月~6月ですが、四季咲き性の品種は春~晩秋まで花を咲かせます。花色は白、オレンジ、ピンク、赤などカラフルで花びらには条斑(じょうはん)というすじ状の模様がはいるのが特長です。茎はやや太めでまっすぐ立ち上がり、葉っぱはなぜか180℃くるりとねじれて裏側が上を向きます。

-来歴・由来-

日本にお目見えしたのは1920年代(大正時代末)のことですが、あまり親しまれなかったのか当時は広く普及せず、本格的に栽培されるようになったのは1980年代以降です。アルストロメリアはオランダで品種改良が盛んに行われ、それらが日本にも多く導入されています。近年は国内でも改良が進み、暑さに強い園芸品種など日本の気候にあったものも作られています。

アルストロメリアの名前はスウェーデンの植物学者アルストロメール(1794年没)に由来します。

花言葉は「未来への憧れ」「エキゾチック」「機敏」「持続」「援助」「幸福な日々」(白)「凛々しさ」

※1 ユリズイセン...正確にはアルストロメリア・プシッタキナ(プルケラ)という特定の品種のことを指す。
※2 塊根...根が肥大して球根上になったもの。

主な産地

ヤサシイエンゲイ 京都けえ園芸企画舎 より一部抜粋