いばらキッス(いちご)

茨城県のイチゴは、栽培面積283ヘクタール(全国8位)、産出額76億円(平成21年度)であり本県の主要な園芸作物のひとつとなっています。近年全国のイチゴ主産県では県独自の品種が育成されていることから果実硬度が高く市場流通に適することに目標をおかれた品種開発を行い、その結果県オリジナル品種「いばらキッス」が誕生しました。

「いばらキッス」の果形はやや長めで、果皮は濃い赤色で光沢があり、果肉は赤色です。生育は旺盛で、厳寒期における草勢の低下が少ないため中休みが発生しにくく、収穫期間を通して安定した収穫・出荷を行う事ができます。

イチゴの育種は、収量、食味、果実品質など優れる形質を持つ系統を親にして交配を行い、生まれた系統の中からさらに果実特性が優れるものを選んでいきます。同じ親から生まれた兄弟であっても果実特性が異なっているため、交配組み合わせごとに多くの系統を評価する必要があります。

この10年で「いばらキッス」と同じ親から生まれた兄弟は297系統、その他の組み合わせから1万以上の系統が生まれており、その全てについて実際に食べながら評価を繰り返し、最終的に選ばれたものが「いばらキッス」なのです。

特徴は、糖度が高く酸味とのバランスに優れている点と、実の中心部まで柔らかく、果汁がたっぷり含まれ、口の中でジュワっといちごの香りが広がることがあげられます。

主な産地

選び方

  • 粒がしっかりと固くてハリがあり、色鮮やかで赤色が濃いもの。
  • へたが青々としていてみずみずしいもの。

保存方法

  • 洗わずラップに包んで冷蔵庫に保存。

茨城県農業総合センター資料より一部抜粋