カーネーション

カーネーション(英:carnation、学名:Dianthus caryophyllus L.)は、ナデシコ科ナデシコ属の多年草。別名にオランダナデシコ、ジャコウナデシコ、オランダセキチクなど多々あります。

原産は南ヨーロッパおよび西アジアの地中海沿岸といわれています。カーネーションという名前の由来には諸説あり、肉(ラテン語:carn)の色の花という説や、シェイクスピアの時代に冠飾り(coronation flower)に使われこれが転訛したもの、あるいは戴冠式を意味する語のコロネーション(coronation)が訛ってカーネーションとなったとの説もあります。

日本には江戸時代初期以前に輸入され、アンジャベルまたはアンジャ(蘭:anjelier、tuinanjelier)と呼ばれました。享保年間に出版された、『地錦抄録』(1733年)には、徳川家光の時代正保年間にオランダからカーネーションが伝来したと書かれています。しかし、このときには日本に定着せず、寛文年間に再伝来し、14種品種が紹介されました。この時期に書かれた『花壇綱目』にも「あんしやべる」の名で記録されている。宝暦年間の1755年に著された『絵本野山草』にはカーネーションはナデシコなどとともに紹介されています。

その後1909年(明治42年)に米国シアトルに在住していた澤田(名不明)が帰国の際に「ホワイト・エンチャントレス」、「ピンク・エンチャントレス」、「ヴィクトリー」、「ローズ・ピンク・エンチャントレス」等、他にも2,3の品種を持ち帰りましたが栽培法に精通しなかった為、生産化には至りませんでした。

後に土倉龍治郎が近代的栽培技術や体制を構築し、新しい品種を生み出し日本にカーネーションを定着させました。この業績により「カーネーションの父」と称されるようになり、土倉は犬塚卓一と共に1936年(昭和11年)、名著「カーネーションの研究:修教社書院」を上梓しています。

現在、カーネーションはキク、バラと並ぶ生産高を誇る花卉植物であり、ハウス栽培で周年供給しています。しかし、最も需要が伸びるのは母の日の5月前後です。

意外に知られていませんが、母の日は世界共通で同じ5月の第2日曜日に行う国は日本以外にアメリカ、カナダ、香港、台湾、オーストラリア、ドイツ、イタリアなど27カ国にも及びます。

主な産地

ウィキペディアより一部抜粋