グラジオラス

アフリカ、南ヨーロッパ、西アジアなどに200種前後が分布する球根植物です。その中でも大半の種が南アフリカにあり、さらにその半分以上がケープ地方に集中します。

球根植物ですが、その大きさや形は種により様々です。一般的に園芸品種は上から軽く押しつぶしたような平たい球形や単なる球形で光沢のある繊維質や紙のような膜質の皮に覆われています。グラジオラスの球根は正確には「球茎」といって、茎が栄養を蓄えられるように肥大したものです。身近な球茎として、サトイモやクロッカスなどがあげられます。

地際から先端のとがった平べったい葉っぱを左右交互に出します。グラジオラス(学名ではグラディオルス)の名前はラテン語のグラディウス(剣)からきており、葉の姿に由来します。園芸では単にグラジオラスというと、春植え夏咲きの園芸品種を指します。それ以外にも春咲きの園芸品種やヨーロッパでは古くから親しまれている春型の原種、数々の園芸品種を生み出す元となった夏型、冬型の原種があります。

18世紀のなかば、東インド会社によって南アフリカの原種がヨーロッパに持ち込まれたのがきっかけとなって改良が始まり、様々な園芸品種が作られました。一般的な夏咲きのグラジオラスは1000を超す園芸品種があり、花色、大きさ、花形などは多岐にわたります。花の大きさは小輪で径6cm、大輪種では径15cm近くになります。大型で堂々とした雰囲気のものが多く、一度にたくさんの花を咲かせた姿はゴージャスです。

主な産地

ヤサシイエンゲイより一部抜粋