アスターとは中国北部の冷涼な乾燥地帯を故郷とするキク科の草花です。春にタネをまいて夏から秋に花を咲かせてその後枯れる「春まき一年草」として扱うのが一般的です。
開花期がちょうどお盆の頃にあたり、切り花として持ちも良いので日本では夏の供花としてよく利用されます。茎はよく枝分かれし、全体に剛毛が生えます。葉は卵形でフチにギザギザが入ります。切り花・花壇などに幅広く利用される草花で人気も高く、それゆえ改良された園芸種も豊富にあります。花の色、咲き方、大きさ、草丈など非常にバラエティー豊富です。花色は紫藤色、紅、ピンク、白、などがあり、咲き方は八重咲きやポンポン咲きなどが見られます。花経は大輪種で15cm、小輪種で3~4cm、草丈は高くなるもので80cm~1m、低いものは20cm~30cm程度に収まります。ちなみに野生種は中心が黄色でその周りに暗紫色の花びらが並ぶ一重咲きで花径は5cm~6cm、草丈は60cm前後です。
古くはアスター属に分類されていたので、今でもその名残で園芸ではアスターと呼ばれ続けています。現在はアスター属ではなく、カリステフ属に分類されます。アスター属と混同してややこしいからか、「エゾギク」の和名で呼ばれることもあります。と言ってもアスター属とは非常に近い仲間であることには変わりありません。アスター属の代表的な植物にシオンや宿根アスターがあります。野菊のような雰囲気を持つ花が多いです。
現属名のカリステフは「美しい冠」を意味し、タネに生えている冠毛(タンポポでいうところの綿毛)が美しいところに由来します。1731年にタネが原産地の中国からパリに送られフランスで育種が進み、次いでドイツからアメリカに渡って多くの品種が作られました。日本に来たのは江戸時代中期とされています。
主な産地
ヤサシイエンゲイより一部抜粋