JAしおさい青果物生産部会の栽培しているみおぎピーマンは、茨城県の特別栽培農産物の認証を受けている農産物です。

日本一のブランドを目指して

JAしおさい青果物生産部会集出荷場
JAしおさい青果物生産部会集出荷場

JAしおさいは茨城県の東南部に位置し、東に太平洋、南西には利根川、北浦の湖畔に囲まれた比較的温暖な地域で、ピーマンの生産が特に盛んな地域です。

一般的な土の栽培だと連作障害が発生するため同じ土地に同じ作物を1年通じて栽培することが困難ですが、この地域では土地が砂地という利点を活かし、春ピーマン、秋ピーマンと年間2作での栽培が可能となっています。

JAしおさい 青果物生産部会 部会長 山中 雅典さん
JAしおさい 青果物生産部会
部会長 山中 雅典さん

この3月からJAしおさい 生産部会長に就任したばかりの山中さんを訪ねました。
元々はJA職員だった山中さん、10年前に退職をし前部会長の下で販売部長を担い、経験と農業生産のノウハウをみっちり叩きこまれ、晴れてこの春部会長に就任されました。目標は大きく「このJAしおさい青果物生産部会の【みおぎピーマン】を日本一のブランドに育てあげる!」と笑顔で答えてくれました。

この【みおぎピーマン】は、JAしおさい青果物生産部会の栽培している品種名で、茨城県の※特別栽培農産物の認証を受けている農産物です。

現在部会員は約200名。その部会員全員のピーマンが特別栽培農産物の認定を受けているという全国でも希有な部会で、山中さんを始め部会員全員の大きな誇りとなっています。

こだわりの栽培

暖房機により温度調整がされたハウスの中に入るとあたり一面にピーマンの香りが漂います。青々と育ったピーマンはどれもつやつやで、見るからに美味しそうです。

農薬に頼らない自然の力によるピーマン作りとして、部会全体で天敵昆虫を導入し消費者に安心して食べていただけるように取り組んでいるとのこと。
また「養液土耕栽培システム」という、元々土の持っている良さを生かしながらピーマンの生育にあわせて必要なときに必要な量をコンピューターで管理し、潅水・施肥する栽培方法を採用。

肥料の使用量の削減や地下水への浸透、河川への流出を抑えて環境にもやさしい農業を実践しているそうです。

活気あふれる部会

東日本大震災が起こる年までは右肩上がりだった販売高でしたが、震災以降は苦戦されているといいます。液状化した土地もあり、部会員の中には被害が大きかった方もおられたようですが、一番深刻だったのは風評被害。
それでも生産部会の人たちの懸命な努力と、変わらぬ真摯なピーマン作りによって2年経った今、ようやく回復し始めたそうです。

ピーマン作りを参考にしようと全国からも視察に訪れたり、ピーマン作りに魅力を感じサラリーマンを辞めて後を継ぐ人も増え、昨年からは青年部も設立し活動を行っています。

左:東峰さん、左2番目:山中部会長、中央:安木さん(JAしおさい)、右2番目:大槻さん(JAしおさい)、右:寺門さん(JA全農いばらき)
左:東峰さん、左2番目:山中部会長、中央:安木さん(JAしおさい)、
右2番目:大槻さん(JAしおさい)、右:寺門さん(JA全農いばらき)

栄養価の高い緑黄色野菜

ピーマンは栄養価の高い緑黄色野菜です。このJAしおさい青果物生産部会で収穫されたピーマンは緑が濃くやわらかいのが特徴です。また食味としては苦味が少ないと評判です。

素材本来の味が楽しめる素揚げや丸焼きにして、かつお節をふりかけ醤油でいただくのがお勧めだそうです。ぜひその味をお試しください。

※特別栽培農産物とは
該当農産物の生産過程等における節減対象農薬の使用回数及び使用されている化学肥料の窒素成分量を削減(慣行レベルの50%以下)するなど一定の条件を満たして生産された農産物を「特別栽培農産物」として茨城県が認定する制度。

取材協力

JAなめがたしおさい

〒314-0148 茨城県神栖市深芝2752-5

TEL :
0299-93-5511
FAX :
0299-93-5512
WEB :
https://ja-ns.or.jp/

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※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。