春に蒔き、夏に出荷するにんじん

会長 冨田順一さん
太平洋に近い場所に位置し気持ちの良い風が吹く場所、茨城の鹿行鉾田市。今回はJAほこた 根菜部会 人参部研究会の会長、冨田さんの春蒔きにんじんの畑におじゃましました。
「春蒔きにんじん」、別名「夏出荷にんじん」の収穫は5月末~6月の下旬あたりまでとなり、これからが出荷時期となります。
寒い時期に収穫をする「秋冬にんじん」とは栽培方法が異なり、種を蒔く時期は1~2月。種を蒔いたあとにフィルムを被せ大切に育てます。
被せたフィルムを剥がす時期はおおよそ5月上旬の大型連休の時期。少しずつフィルムに穴を開け換気をさせていくのですが、このタイミングがとても難しいそうです。
「春蒔きにんじん」はとても柔らかく、甘みがあるのが特徴です。また、生でおいしく食べられるのも魅力的で、スティックにして食べるのが一番のおススメだそうです。
そんな魅力たっぷりの「春蒔きにんじん」は、収穫後時間がたつと痛みやすいのが欠点でした。
そこでJAほこたでは、品質保持のため「真空予冷装置」を導入しました。
最高な状態で市場へ運ぶ
「真空予冷装置」とは、野菜の呼吸を抑え、新鮮さと栄養分を保つために冷やす装置のことです。この装置は短時間で野菜を冷やすことができるので「春蒔きにんじん」に負担をかけることなく、鮮度と栄養分を維持させることが可能となりました。
採れたての美味しさを保ったまま市場へ運ぶことができるようになり、最盛期には日量約2,000ケース、関東だけでなく東北にも出荷するほど。この時期の「春蒔きにんじん」は引っ張りだこなんだそうです。
さらに高みを目指して
鉾田地区では機械化が進んだことにより、生産者も面積も昔より増えてきているそうです。
そのため、冨田さんは「もっと生産量を増やしたい、需要を増やしたい」と意気込みを語ってくれました。
美味しく安心安全に生産するために、もみがらなどの堆肥を使用した土づくりにこだわり、風向きを考慮した畑づくりやさまざまな品種にチャレンジされているそうです。
現状に満足することなく、常に上を目指そうとする冨田さんのお姿が印象的でした。
JAほこたの「春蒔きにんじん」を皆さんもぜひ、ご賞味ください。
取材協力
JAほこた 営農推進課
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