行方市は気候や立地の良さもさることながら、水はけのよい火山灰土壌で且つ保水力があり、ごぼう栽培には好条件の土壌です。浅草にある柳川鍋の老舗店でも使われるなど、味の良さも認められています。

知る人ぞ知る"芹沢ごぼう"

image01.jpg
JAなめがた 芹沢部会
部会長 堀田 純さん

行方市には、新選組初代局長 芹沢鴨ゆかりの地とも言われる"芹沢"という地名があります(現茨城県行方市芹沢)。JAなめがたから出荷されるごぼうには、その「芹沢」を冠した"芹沢ごぼう"と呼ばれるものがあり、親しまれています。
浅草にある柳川鍋の老舗店でも使われるなど、味の良さも認められています。香りが良く、肌色が白くやわらかいのが特徴です。
一度食べて気に入り、県外から何年も買いに来てくれる人がいるというエピソードを語ってくれた堀田さんの笑顔が印象的でした。

image02.jpg

土がごぼうを育てる

"芹沢ごぼう"の品種は「柳川理想」で、日本全国で栽培される「滝野川ごぼう」から品種改良されたものです。ごぼう生産量は青森県に次いで茨城県が全国2位となっています。茨城県内のJAの中ではJAなめがたが最も多く出荷しているそうです。

行方市は気候や立地の良さもさることながら、水はけのよい火山灰土壌で且つ保水力があり、ごぼう栽培には好条件の土壌です。
ごぼうは夏の暑さや乾燥には強いのですが、台風や秋の長雨には注意が必要です。特に種まき時期に雨が多くなると、ごぼうの芽が出なくなってしまう事もあるのだそうです。

ごぼう一筋を貫く

image03.jpg

芹沢部会は、ごぼうを中心にさまざまな野菜を出荷する生産者が集まって結成されました。現在約10名の部会員が質の良い"芹沢ごぼう"を出荷しています。その中で堀田さんはほかの農産物は栽培せずごぼう一筋だそうです。ごぼうに合わせた土づくりに取り組み、鶏糞などの有機質肥料を使用し、連作障害や病害虫の予防のため、緑肥も利用しているそうです。

image04.jpg

堀田さんの圃場では春まきと秋まきでごぼうを栽培しています。取材した日は春まきごぼうを収穫していました。専用の収穫機「ごぼうハーベスタ」でごぼうを抜き、それを回収していきます。みごとに育ったごぼうが次々と姿を現す光景は圧巻です。

ごぼうの良さを伝えたい

image05.jpg

"芹沢ごぼう"は、主に京浜市場に出荷されます。市場に最も多く出回るのはMサイズです。大きなサイズは惣菜などの加工や業務向けに出荷される事が多いそうです。
堀田さんは「ごぼうのイメージを変えたい、思ったよりも柔らかく食べやすいものなので、ぜひ食べてほしい」とおっしゃっていました。

ごぼうは食物繊維・ミネラルも多く含みます。また、皮をむいたり、切ったりしたときに黒く変色するのは実は抗酸化作用を持つポリフェノールによるもので、大変健康に良い食品です。堀田さんにお勧めの食べ方を尋ねると、「特に天ぷらにすると香りと食感、歯ごたえも良くとても美味しい。ごぼうチャーハンやサラダもお勧め」と、美味しい食べ方をたくさん教えてくださいました。
皆さんも、堀田さんおすすめの美味しい食べ方をぜひお試しください。

取材協力

JAなめがたしおさい 玉造営農経済センター

〒311-3512 茨城県行方市玉造甲2571

TEL :
0299-55-2161
FAX :
0299-55-3157
WEB :
https://ja-ns.or.jp/

大きな地図で見る

※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。