JAやさとは、筑波山などの山々に囲まれた盆地と温暖な気候に恵まれ、果樹栽培が発展しました。とりわけ甘柿は栽培の北限、りんごは南限と言われています。

日本が誇る世界の「カキ」

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JAやさと 園部柿部会
部会長 大槻 元夫さん

JAやさとは、筑波山などの山々に囲まれた盆地と温暖な気候に恵まれ、果樹栽培が発展しました。とりわけ甘柿は栽培の北限、りんごは南限と言われています。

柿は古来より日本人に身近な果物であり、高い栄養価も認められていました。「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざもあるほどです。
甘柿は日本固有種で、世界共通で『カキ』という名前が使われ、高級菓子としても知られており、まさに日本が世界に誇る果物です。

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皇室献上柿の里

昭和10年、茨城県から富有柿の苗木を配布されたことを機に、現在のJAやさと 園部地区にあたる生産者10名が協力し合い、本格的な富有柿の栽培に取り組み始めました。この時のメンバーで結成した園部農業会果樹園芸部が、園部柿部会をはじめとする柿組合の基礎となりました。

しかし、柿の生産は決して順風満帆ではありませんでした。樹木の病気で収穫がなかった年もあるなど、大変厳しい状況が続いたそうです。しかし、努力を重ねて誰もが認める品質の良い柿が生産されるようになりました。「先人たちの努力と忍耐のおかげで現在の"園部の柿"がある」と、おっしゃっていました。
その高い品質の証でもある「皇室献上柿」は、昭和30年頃から始まったと言われています。昭和44年に旧八郷町の事業として富有柿の皇室献上がスタートし、毎年11月中旬に審査会がおこなわれています。「皇室献上柿の里」の一員であることは、生産者にとって誇りであり、励みになっています。

秋の始まりを伝える、西村早生

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JAやさとでは、9月中旬から「西村早生」、9月下旬から「早秋」、10月下旬から「松本早生富有」、そして11月中旬から「富有」が出荷されます。
取材した日は、秋の始まりを伝える「西村早生」の出荷最盛期でした。

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この品種は"不完全甘柿"と言われる柿で、種が入っていないと甘くならないため、間違いのない選果が重要です。以前は目視のみで選別していましたが、現在は判定機も導入されています。

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大槻さんは甘柿の決め手である種の有無をすぐに見分け、目の前で切って見せてくださいました。種があれば"ゴマ"と呼ばれる黒い点が果肉に広がり甘くなり、種が入っていないと"ゴマ"ができず渋いのだと教えていただきました。

最近では、10月中旬から直売所に並ぶ「太秋(たいしゅう)」も注目されています。富有柿より大きく、果汁が多く歯ごたえのある食感で、青いうちからでも食べられるという特徴があります。

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夢を持って柿作りを始める

代々の柿農家に生まれた大槻さんは、柿栽培40年以上の大ベテランです。大槻さんがやり甲斐を感じるのは収穫と剪定だそうです。特に栽培の初めに行う剪定は「一年後の収穫をイメージしながら作業するのは、夢があって楽しい。」とおっしゃっていました。

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部会では、県が行う剪定講習や春先の栽培講習に参加し、病気への対策なども部会員と相談し合いながら栽培しています。毎年同じように美味しい柿を実らせることは、決して簡単なことではないと思います。しかし、大槻さんは多くを語らず「今年も美味しい柿がたくさんできた。ぜひ直売所に買いに来てほしい」とおっしゃっていました。

園部選果場と同じ敷地に、直売所「里の四季」があり、収穫したての美味しい柿を買うことができます。生産者の顔が見える直売所にぜひお立ち寄りください。

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取材協力

JAやさと 園部柿選果場

〒315-0123 茨城県石岡市宮ヶ崎472-3

TEL :
0299-46-3967
WEB :
http://www.ja-yasato.com/contents/kaki.html

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JAやさと 園部農産物直売所「里の四季」

〒315-0123 茨城県石岡市宮ヶ崎472-2

TEL :
0299-46-6479
WEB :
http://www.ja-yasato.com/contents/tyokubai.html

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