茨城県は夏秋トマト全国3位の生産量を誇り、その中で最も多く出荷しているのが、JA北つくばです。JA北つくば 東部とまと選果場部会の"夏秋トマト"は、特産品"こだま西瓜"と組み合わせた作付体系として栽培が始まったそうです。

特産品を生み出す大地

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JA北つくば 東部とまと選果場部会
部会長 深谷浩さん

JA北つくば 東部とまと選果場部会の"夏秋トマト"は、特産品"こだま西瓜"と組み合わせた作付体系として栽培が始まったそうです。 7月から12月に"こだま西瓜"の後作としてハウスを活用できるという利点もあって、栽培が拡大されたとの事です。さらに平成17年に選果場による出荷体制が整うと、生産性と品質が向上しました。現在、部会員数は95名になり、茨城県の主要な夏秋トマトの産地となっています。

"こだま西瓜"の発展の背景には、茨城県の中でも日照時間が長い事や筑波山から吹き降りてくる風の恩恵があったようです。その気候風土の恵みを受け、美味しい"夏秋トマト"を出荷しています。

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選果場の大きな役割

茨城県は夏秋トマト全国3位の生産量を誇り、その中で最も多く出荷しているのが、JA北つくばです。出荷の時期には50名程のパートさんが選果場に集まり、連日作業しています。安定した品質のトマトを多く出荷するために、選果場の果たした役割は大きいと言います。
まず、生産者は出荷にかかる作業時間を減らすことができ、栽培に集中できるようになりました。その結果、品質の向上につながり市場からの評価も高くなりました。また、選果によって品質も統一され価格も安定し、生産者は安心して栽培できるようになったのです。もちろん、消費者も美味しいトマトを食べることができます。

深谷さんは、「個人個人のレベルを上げ、10年後も20年後も評価される部会にしていきたい」と言います。若い人たちにも残していける、より良い部会を目標としているようです。

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こだわりと差別化

通常、トマトは店頭に並ぶ頃に赤く色づくよう計算して収穫します。しかし、このJA北つくば東部とまと選果場部会では、実が赤くなってから収穫します。
深谷さんは「トマトは果物と同じように嗜好品に近いものだと思う。だからこそ、一番美味しく食べられる方が良い」とおっしゃいます。青いうちに収穫しても赤く色づきますが、熟した状態で収穫した方がやはり美味しいのだそうです。

そのため、土壌に合っていて、熟してからの収穫に合う品種を選定する必要があります。また、3年ほど前に全国的に流行した黄化葉巻病の被害も繰り返さないよう、病気に強い「桃太郎ピース」と「桃太郎ヨーク」に厳選しました。特に9割以上が「桃太郎ピース」ですが、病気に強い反面、暑さに弱く猛暑の年には出荷量に大きく影響が出るそうです。今後は、暑さにも強い品種改良を期待しているそうです。
熟してからの収穫は、割れが出てしまうなど、決して簡単ではありません。選果場でも、選果中の痛みを防ぐなどの工夫をしています。
JA北つくばでは、消費者目線で考えて一番美味しい状態での出荷にこだわることにより、市場から高い評価を得ています。また、他産地との差別化となり産地の強みになっています。

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オリジナルブランドを目指す

深谷さんは、「トマトのブランド化を目標にしたい」とおっしゃっていました。これまでも量より品質の向上を目指すなど、精力的に部会員に呼びかけ活動してきました。部会では毎年目標を立てて新たな取組みにも積極的にチャレンジしているそうです。
「だれでも自分の考えがある。部会員の数が多いほど様々な意見も出るし、まとめるのは大変だが、今は品質を向上していくという方向性に気持ちを一つにしている」と、組織力の強さにも自信を見せてくださいました。

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取材協力

JA北つくば 東部営農経済センター

〒309-1111 茨城県筑西市上星谷94-2

TEL :
0296-21-8055
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