JA常総ひかり千代川地区は50年以上ものはくさい栽培の歴史を持つ地域です。先輩農家である両親の指導のもと手塩にかけて育て上げたはくさいは、甘くみずみずしさにあふれ一番おいしい季節を迎えています。

県内最大のはくさい産地

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JA常総ひかり 千代川地区   
白菜部会 部会長 谷澤 建一さん

はくさいの生産量が全国第1位の茨城県。特に県西部に位置するJA常総ひかり管内の下妻市・常総市・八千代町は、県内最大のはくさい産地です。

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親は仕事の先輩

千代川地区白菜部会の部会長を務める谷澤さんは、はくさいとすいか栽培をする両親の背中を見て育ちました。20歳の頃に就農し、今年ではくさい栽培歴29年になります。谷澤さんは現在、80代の両親と外国人研修生の合計4名で栽培から出荷までおこなっています。
栽培面積は2ヘクタールで、早生の品種「晴黄60」、中生の品種「秋理想」を栽培しています。
秋冬はくさいは8月いっぱいかけて播種し、育苗ハウスで苗を育てます。播種から14日から20日で定植し、播種からおよそ3ヶ月後に収穫を迎えます。毎朝8:30頃から収穫を開始し、圃場で箱詰め作業までを行い、作業が済み次第、すぐに集荷場に運び込みます。10月後半から12月いっぱいまで収穫は続き、日量400~500ケースほど出荷しています。
圃場では季節により秋冬はくさい、すいか、サニーレタス、キャベツ、春はくさいを組み合わせて栽培します。その理由は連作障害を防ぐこと、空いている畑から舞った土埃が結球後のはくさいの中に入るのを防ぐためです。
土づくりには有機質のたい肥をたっぷり使用します。また、毎年土壌検査を実施し、土壌のバランスをとります。

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谷澤さんは「親と研修生に手伝ってもらわないと一人ではとてもまかなえない量だから助かっているよ。研修生は定植作業が俺の3倍も速いんだよ。若くて体力があるから荷詰めも手伝ってもらっているんだ。それに親たちにも感謝している。親という立場を別にしても、仕事の先輩だからね。俺も栽培について大体わかるようになったけれど、初めのうちは何でも聞いて教えて貰っていたよ。親父は苗づくりが上手いから今も育苗をお願いしているんだ。80歳になるのに現役で作業してるんだから尊敬するよね。」と笑っていました。

品質向上のために3地区合同で活動

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千代川地区の白菜部会の歴史は50年以上。もともとは夏場のすいかの後作としてはくさい栽培がはじまりました。部会結成当初は少量の栽培であった秋冬はくさいも今では30名の部員で昨年は2500トンもの量を京浜市場に向け出荷するまでになりました。
今でもすいかとはくさいの両方を作付けしている方が多く長年、西瓜・白菜部会として活動を続けてきましたが部会再編に伴い、1年前より白菜部会として独自の道を歩みはじめました。同じJA常総ひかり管内の八千代・石下両地区の白菜部会と合同で、土づくりを学ぶ栽培講習会や出荷が始まる直前の目揃え会を開催しています。目揃え会では市場関係者から、箱の詰め方・1玉の重さの基準・外葉の枚数制限などの注意点や指導、生産者からは今年の生育状況や出荷予想時期といった市場に向けての情報を伝えます。「消費者に安定した量を提供するため、互いの意見を交換し合うことがなによりも大切」と谷澤さんは話していました。地区という枠組みを超えたはくさいの一大産地としての熱意が感じられます。

白菜はわが子のように愛着がある

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はくさいは苗のときから手塩にかけて育てるのでまるで自分の子供のように感じられるそうです。「おいしいものを消費者の皆さんに提供するため、部会でもさらなる品質向上を目指していきたい」と谷澤さんは話してくださいました。

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千代川地区では農協祭りや市のお祭りに、はくさいを提供するなど、地場産野菜の周知活動に積極的に取り組んでいます。また常総バイパス沿いにある「やすらぎの里しもつま 農産物千代川直売所」でもお買い求めいただけます。
はくさいは、秋から冬にかけての気温の変化で甘さや水分、柔らかさが増し、今が一番おいしい季節です。JA常総ひかり千代川地区の秋冬はくさいを使った鍋やクリーム煮で温まりませんか?

取材協力

JA常総ひかり 千代川野菜集出荷所

〒304-0821 茨城県下妻市別府1240

TEL :
0296-43-7626
FAX :
0296-43-7627
WEB :
http://www.jahikari.or.jp/

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