厳寒期限定の万能野菜
「あさひちりめん」とは!?

小松菜部 部長 日向寺 秀樹さん
「あさひちりめん」と呼ばれる野菜をご存知ですか?
一般的な小松菜と違い、冬の時期の寒さによって葉肉がちぢれ、柔らかく旨味のあるちぢみ小松菜です。特徴としては、えぐみが少なく肉厚で和洋中どのような料理にも合いますので、活用方法は無限大!12月から3月までの厳寒期限定で出荷しています。
あさひちりめん誕生
JA茨城旭村蔬菜(そさい)部会では、平成19年に青果会社より「ちぢみ小松菜」の栽培を提案され、試作が始まりました。試行錯誤を重ねてきた結果、えぐみが少なく旨味のあるちぢみ小松菜として市場や量販店で好評を得るまでとなり、平成22年には小松菜部を発足、本格的な栽培に乗り出しました。
しかし世間では知名度が低いために、店頭で手に取ってもらいにくく、一時は生産者が減少することもありました。
「味には自信がある。消費者にこの美味しさを伝えるにはどうすればよいのだろうか。」部会ではJA茨城旭村のちぢみ小松菜を多くの人にPRするために、今から2年前にブランド化プロジェクトを立ち上げました。
小松菜と差別化するために公募した700点あまりの中から選ばれ、平成28年8月に「あさひちりめん」の名前が誕生しました。葉のちぢみ具合が、着物生地のちりめん模様に似ていることが名前の由来です。併せてパッケージやダンボール、販促POPも目にとまりやすいデザインにリニューアルしました。そのおかげもあってか平成29年に入り、生産者数、出荷量が安定するようになりました。
ちぢませやすい寒さとは
「あさひちりめんの栽培で特に難しいことは温度管理です。」と語るのは小松菜部部長の日向寺さんです。日向寺さんは小松菜栽培14年のベテランで、小松菜と「あさひちりめん」を栽培しています。
「寒さにあてることで葉のちぢれをつくるのですが、氷点下になるほどの寒さには弱く、葉柄(葉と茎をつないでいる柄)の薄皮がペリペリと剥離してしまう欠点があります。それを防ぐために、ハウス栽培ではこまめな開け閉めで温度調整をおこない、露地栽培では不織布の被覆資材を活用し、寒さを和らげるよう工夫しています。寒さが強まる今の季節は、特に外気温の変化に細心の注意をはらっています。」と日向寺さん。
また、「健康な土は、病気に強い健全な作物を作る」という部会の目標に向けて年1回の土壌診断をおこない、土作りにも重点的に取り組んでいます。日向寺さんも稲わらや籾殻、鶏糞といった有機質肥料を意識的に活用するようにしているそうです。
目標は全国販売
関東近郊を中心に知名度をあげてきた「あさひちりめん」ですが、いずれは全国展開を視野に関係機関と協力してPR展開していきたいそうです。
「ちぢみ小松菜といったら「あさひちりめん」と覚えてもらえるよう部会で頑張っていこうと思っています。オリジナルレシピをJA茨城旭村のサイトでも公開していますので、よかったら見てください。」と日向寺さん。
JA茨城旭村直営の「サングリーン旭」でもお買い求めいただけますので、今だけの美味しさをぜひ味わってみてください。
取材協力
JA茨城旭村 営農情報支援センター
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