JAほこたのスナップエンドウの2017年出荷数は約39,000ケース。部会では、JAほこたを代表する主力品目の座を目指しています。デリケートなスナップエンドウの為に、連作障害対策や温度の調節などに日々気を付けています。 産地だより

新堀さんのスナップエンドウ

JAほこたのスナップエンドウの2017年出荷数は約39,000ケース。部会では、JAほこたを代表する主力品目の座を目指しています。デリケートなスナップエンドウの為に、連作障害対策や温度の調節などに日々気を付けています。

目指せ主力品目の座

JAほこた 園芸部会 スナップえんどう生産者 新堀 信さん
JAほこた 園芸部会
スナップえんどう生産者 新堀 信さん

「幼い頃から農業を身近に感じていた影響が大きいでしょう。」と、はにかんだ笑顔で語ってくれたのは鉾田市で農家を営む新堀さんです。

スナップエンドウは、グリーンピースを皮ごと食べられるように品種改良されたもので、柔らかな「さや」に大粒の豆、さやえんどうのシャキシャキ感とグリーンピースの甘みが味わえます。

JAほこたでは、園芸部会の約13人がスナップエンドウの栽培に取り組んでいます。2017年の出荷数は約39,000ケース。いずれはメロンやトマトのように、JAほこたを代表する主力品目の座を目指していると、JAの担当者は生産者に熱い眼差しを送ります。

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自分の経験があってこそ

新堀さんは父親が養豚、母親が野菜栽培をおこなう農家の生まれです。幼い頃から農業に心惹かれ、進路でも農業系の大学を選んだそうです。卒業後すぐに就農し、今から7年前に農協の勧めで栽培を始めました。

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「最初はハウス3棟から始め、今では8棟まで増やしました。連作を好まない性質があるため、年単位で栽培する圃場を変え、次にミニトマトなど別の品目を作付けし、連作障害が起こりにくいように気をつけています。
他の生産者さんや種苗会社さんから指導を受け技術を磨いてきましたが、一番はやはり自分で成功も失敗も経験し一歩ずつ学んでいくことが大切ですね。」

デリケートなスナップエンドウ

12月の暮も押し詰まる頃、豚糞と籾殻を発酵させた独自ブレンドの土をなじませたハウスで種まきが始まります。
寒さに強く、低温で他の作物の成長が遅くなる厳寒期でも問題なく成長するため、べたがけ資材の被覆も二重ですむそうです。
寒さには強いですが反対に暑さにはめっぽう弱く、収穫が始まる3月頃から暖かくなり、気温が25℃以上になるとえんどうの表面に傷をつけるハモグリバエや、うどんこ病などの病害虫が発生しやすくなります。
新堀さんはこれを防ぐために換気や遮光資材をハウスに設置し、温度の調節を行っています。また、指導に従った必要最低限の農薬を使用して病害虫への対策も行っています。

手作業の大変さ

茎が誘引の紐を伝って30cmほどの長さに伸び、白くて小さなつぼみができ始めると一旦すべての花を取ってしまいます。「上に育てば育つほど大きな実ができる性質を持っています。下にできた花は早めに取って茎に栄養をしっかりと行き届かせるようにしているんです。ある程度伸びてきたら花を育て実が10cm程になったら下から順に収穫をしていきます。誘引作業や枯れた花の回収もそうですが、一つずつ手作業でしか行えないので手間がかかりますが、大きな実に育ったときにはやりがいを感じますね。」

新堀さんのお宅では昔から付き合いのあるベテランのパートさんが収穫、箱詰めを担当しています。
品質を維持するために、緑のガクの部分を数ミリ残して収穫し、できるだけ手を触れないで箱に整えて入れます。

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3月に始まった出荷は6月末まで続きます。
新堀さんのお宅ではピークをすぎ、少しずつ収穫が落ち着いて来たそうです。
「私のうちでは他にもメロンやミニトマトを栽培していますが、どれも栽培期間が短いため、パートさんたちにもっと活躍してもらえるよう、今後はスナップエンドウの栽培期間を伸ばしていけたらと考えています。軽量で温度管理の労力が少ない作物ですので、生産者も増えてくれることを願っています。」と新堀さん。

おすすめの食べ方は、塩ゆでとシンプルなもの。筋を取ってさっと塩ゆでにするとシャキシャキした歯ざわりが楽しめ、晩酌のお供に抜群とのことです。
ぜひお試しください。

取材協力

JAほこた 営農情報センター

〒311-1503 茨城県鉾田市徳宿2325-2

TEL :
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FAX :
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