JA茨城旭村トマト部会は、部会員が約200名、総生産面積89.4haと県内でも大きな部会です。平成30年度から本格的に栽培に取り組み始めたサンチュリーピュアプラスは、これまでの主力品種と同じ収量を維持したまま、より病気に強い特徴があります。 産地だより

加藤さんのミニトマト

JA茨城旭村トマト部会は、部会員が約200名、総生産面積89.4haと県内でも大きな部会です。平成30年度から本格的に栽培に取り組み始めたサンチュリーピュアプラスは、これまでの主力品種と同じ収量を維持したまま、より病気に強い特徴があります。

常に良いものを目指す部会

JA茨城旭村 トマト部会 副部会長 加藤 孝一さん
JA茨城旭村 トマト部会 
副部会長 加藤 孝一さん

全国でもトップクラスのトマト生産量を誇る茨城県。
その中でも鹿行地区に位置するJA茨城旭村トマト部会は、大玉トマト、中玉トマト、 ミニトマト合わせて部会員が約200名、総生産面積89.4ha(東京ディズニーランド約2個分の面積)と県内でも大きな部会です。部会の中にはトマト専門の研究会が設置されており、農業資材や栽培技術、新しい品種の選定研究を日々行っています。
昨年一昨年とトマト部会の生産者の方を取材させていただきましたが、今回新しい品種の栽培、出荷が始まったと聞き、さっそく圃場へ伺いました。

平成30年度から本格的に栽培に取り組んでいるのはサンチュリーピュアプラスという品種で5月から8月まで出荷予定です。今までの主力品種であるサンチュリーピュアと同じ収量を維持したまま、より病気に強い特徴があります。また一玉の大きさも消費者の好むL~Mサイズに育ちやすく、食味もさらに良くなったと生産者からも評判です。

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家族で管理が行き届く量を見極める

迎えてくれたのは、JA茨城旭村トマト部会の副部会長を務める加藤さん。
鉾田市のいちご農家の2代目として生まれました。農業学校を卒業後17歳で就農し、以後40年以上にわたり、いちご、メロン、大玉トマト、ミニトマトとさまざまな品目の栽培に取り組んできました。ミニトマト栽培に着手したのは7年前のこと。以前より大玉トマトを栽培していましたが、作業効率が良いこととミニトマトの裂果のしにくさに魅力を感じ転向しました。

「部会内には、外国人実習生を雇って大規模な栽培に取り組んでいる方もいますが、私の家では妻と息子とともに家族3人で管理しています。自分たちで作業ができる範囲でなおかつ省力化が図れる作物としてミニトマトは適していました。」と加藤さん。
今ではミニトマトを20aほどハウスで栽培しています。

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オリジナルの方法

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加藤さんのトマト栽培は支柱を使わず、ビニール紐で茎を吊り下げる方法です。資材費用と労力の削減にもなり、ミニトマト栽培の初期からこの方法で栽培してきたそうです。苗を植え、30cmほどになったらビニール紐を設置してつるの誘因を始めます。主枝と第一花房下のわき芽を使う2本仕立てで仕立てるので、1本仕立てより収穫量が増えるメリットがあります。また、80cmと広い株間をとっているため、7段から8段目まで育てていても、通路がすっきりと整っており通気もよく病気になりにくいそうです。

怪しいトマトを一瞬で見抜く経験

ミニトマトは受粉しなくても実がつく性質があるそうです。受粉して育った実との違いは、手で触った際の感触の違いのみとのことです。
「慣れてくると見た目だけでわかるようになりますよ。この未受粉の実は艶がなく、しぼみやすいのです。間違って出荷してしまうと店頭に並ぶころには腐ってしまいます。ほかの実にも影響がでてしまいますので、収穫時には紛れ込ませないようしっかりと目を配っています。」と加藤さん。実際に両方の実を触ってみましたがまったく違いが判らず、改めて加藤さんの培ってきた経験のすごさを感じました。

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※向かって右側が未受粉の実です。

選果場での品質チェック

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トマト部会では平成29年から新デザインの段ボール箱に変更しました。
今までは茶色の段ボール箱でしたが、白地にトマトのかわいらしいイラストをプリントした段ボール箱へリニューアルし、市場に並んでいても遠くからでも目立つようになりました。

生産者の自宅で規格ごとに箱詰めされたミニトマトは選果場内のローラーに乗せられ、検査に通されます。ベテランのスタッフの手でひと箱ずつ、艶と色合いがよいか、ヘタがついているかといった細かな確認をおこないます。生産者と選果場で2回しっかりと品質チェックをおこない、美味しいミニトマトが市場へ届けられます。JA茨城旭村のおいしいミニトマトをぜひご賞味ください。

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取材協力

JA茨城旭村 営農情報支援センター

〒311-1415 茨城県鉾田市造谷1377-1

TEL :
0291-37-1661
FAX :
0291-37-1663
WEB :
http://www.ja-ibarakiasahi.or.jp/

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