総和地区のかぼちゃ栽培の歴史は100年近くにのぼります。長年土壌改良について独自に研究をし、鶏糞たい肥や完熟腐葉土作りをおこなってきました。総和みやこかぼちゃは畑で完熟してから収穫するので果肉の色が濃く、実がぎっしりと詰まっていて甘さが強いと評判です。 産地だより

安田さんの総和みやこかぼちゃ

総和地区のかぼちゃ栽培の歴史は100年近くにのぼります。長年土壌改良について独自に研究をし、鶏糞たい肥や完熟腐葉土作りをおこなってきました。総和みやこかぼちゃは畑で完熟してから収穫するので果肉の色が濃く、実がぎっしりと詰まっていて甘さが強いと評判です。

受け継がれる100年の歴史

JA茨城むつみ 総和地区園芸部会 かぼちゃ部 安田 隆雄さん
JA茨城むつみ 総和地区園芸部会 
かぼちゃ部 安田 隆雄さん

茨城県古河市総和地区のかぼちゃ栽培の歴史はなんと100年近くにのぼります。この地域は稲、大豆、粟の産地として栄えましたが、のちに農閑期対策としてかぼちゃの栽培が始まりました。

当時は、「えびすかぼちゃ」を主流に複数の品種を栽培していましたが、昭和58年にさらなる食味の良さを求めて「みやこかぼちゃ」に特化した部会が設立されました。昭和63年には茨城県の青果物銘柄産地に指定、他の産地に栽培方法を指導するなど、県内を代表する産地の一つになりました。「総和みやこかぼちゃ」は、繊維が少ない粉質の鮮やかな黄色い肉質のかぼちゃでほくほくとした栗のような甘みが特徴です。

今日でもそのブランド力は衰えることなく、市場の信頼の厚さはもちろんのこと全国に多くのリピーターがおります。

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良い作物は良い土から生まれる

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部会では味の向上と品質の統一を図るためにJA茨城むつみが指定した有機質肥料セットの使用を勧めていますが、独自に土壌改良研究に取り組んでいる意欲的な部員が多くいます。
栽培歴40年の安田さんもそのひとりです。総和地区のかぼちゃ栽培初期から取り組んでいるベテラン生産者を父に持つ安田さんは、農業学校で栽培の基礎を学んだ後、実家の農業を継ぎました。

"良い土を作れば、おのずと品質の高い作物が育つ"をモットーに、長年土壌改良について独自に研究をし、発酵熱を活用した鶏糞たい肥や完熟腐葉土作りをおこなってきました。

年数が経った完熟腐葉土は通気性や保水性、保肥性に優れ、圃場の土に混ぜあわせると植物の成長を促すふかふかの土に変わります。
「よい作物をつくるには、土作りが一番大切ですので、人一倍こだわりを持って土壌改良に取り組んでいます」と自信をもって語っていました。

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畑で完熟させてから出荷

通常は収穫後10日~2週間ほど風通しの良い場所に置き、追熟させてから出荷しますが総和みやこかぼちゃは、畑で完熟してから収穫するので果肉の色が濃く、実がぎっしりと詰まっていて甘さが強いと評判です。量販店の試食販売でも、余分な味付けはせずお客様に素材そのままの味を味わってもらっているそうです。

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3月末に植えたかぼちゃは糖度をあげるため1つの株を2本仕立てにし、最大3玉を残して摘芯します。掌の形に似た大きな葉が45枚ほどになり、そしてヘタの部分のひび割れの幅が広がっていたら収穫の目安です。
「ひび割れが緑がかっていたり、もしくは幅がない場合はまだ収穫適期ではありません。ひび割れの広がり方、葉の枚数、皮の色が黒くて表面に艶と深い凹凸があるかをしっかり確認して収穫しています。」と安田さんは言います。

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本年は気温の急激な上昇に伴い、例年より3、4日早い6月13日より出荷が始まりました。大きさも色艶も昨年より良い出来で、大玉に育ったそうです。
「土づくりから丹精込めて作ったかぼちゃを皆さんに食べてもらえたらうれしいですね。」と安田さんは照れながら話してくださいました。

金色のシールが光る甘くてほくほくな総和みやこかぼちゃをぜひご賞味ください。

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取材協力

JA茨城むつみ 総和地区営農センター

〒306-0221 茨城県古河市駒羽根969-4

TEL :
0280-92-1820
FAX :
0280-92-6700
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