下妻梨第一共同選果場は昭和47年に建てられ下妻の梨の食味にこだわり
平成28年にさらなる品質向上のため梨選果用光センサーを導入しました。 
糖度や内部品質などを1秒間に3個を選別するなど効率的な出荷を心がけています。 産地だより

下妻梨第一共同選果場

下妻梨第一共同選果場は昭和47年に建てられ下妻の梨の食味にこだわり 平成28年にさらなる品質向上のため梨選果用光センサーを導入しました。 糖度や内部品質などを1秒間に3個を選別するなど効率的な出荷を心がけています。

歴史のある梨の名産地

image1.jpg

茨城県は梨の生産量が全国2位を誇る梨の名産地です。なかでも下妻市は茨城県西部に位置し、約150年以上の梨栽培の歴史を持つ地域です。糖度14度以上の下妻甘熟梨の生産など食味や品質にこだわり国内だけでなく海外からも高い評価を得ています。下妻の梨は平成3年に茨城県の銘柄産地に指定されました。また、下妻梨第一共同選果場では県内で初めての梨選果用光センサーを平成28年に取り入れ効率的な梨の選別をおこなっています。

協力して高い品質を維持

JA常総ひかり下妻梨第一共同選果場 総務部長・下妻市果樹組合連合会 会長 大塚さん
JA常総ひかり下妻梨第一共同選果場
総務部長・下妻市果樹組合連合会
会長 大塚さん

下妻市果樹組合連合会には117名の生産者が所属しており年4回の栽培講習会に加え、肥料や農薬にも決まりを設け定期的な講習会を行うなど安全で美味しい下妻の梨を栽培するための徹底した指導がされています。

下妻梨第一共同選果場は昭和47年に建てられ約70名のスタッフで昨年は約23万ケース以上を国内・海外へ出荷しました。品種は幸水・豊水・あきづき・新高・恵水・にっこり等多数の品種を作付けされています。さらに、下妻甘熟梨は栽培方法を変え樹上で熟させてから収穫する希少な梨で梨本来の味を追求した濃厚な甘みのある梨です。
下妻市果樹組合連合会と下妻梨共同選果場が一丸となり下妻の梨の高い品質を維持することで市場からの信頼を得ています。

見た目だけでなく内部の品質も管理

image3.jpg

梨の収穫適期を統一できるように品種ごとの収穫色カラーチャートを選果場と生産者とで共有しています。それぞれ品種ごとの収穫カラーチャートは1・2・3の3色あり気候の変動に合わせながら色を指定することでどの生産者の梨も常に良い色の状態で市場に届くようにしているといいます。

image4.jpg

下妻梨第一共同選果場には前日に収穫された梨が専用コンテナに詰められ、多い時には1人の生産者で約150〜200コンテナが出荷され、選別していきます。出荷された梨は秀・優・良の3段階の規格で一つひとつ目視で選別し、選果ラインへ乗せます。

image5.jpg

その後梨選果用光センサーを通過し1秒間に3個の速さでさらに秀・優・良の等級と7段階の階級に分けられます。形や色の選別だけでなく光センサーを使い自動で瞬時に判断することで見た目だけではわからない糖度や内部品質を見分けることができ、重さも間違えることなく選別ができます。

正確で効率的な選別で多くの市場に届ける

image6.jpg

光センサーで選別された梨は等級と階級ごとに自動で分けられ専用パックへ一つひとつ丁寧に箱詰めされていきます。

image7.jpg

image8.jpg

つぎつぎと梨が選果されていきスタッフが箱詰めだけに集中できるように箱は製かん機を使い自動で組み立て、レーンに乗せ箱詰めするスタッフの後ろまで必要な数が届くようにしています。

image9.jpg

image10.jpg

箱詰め後は箱に等階級を印字し、箱は封かん機を使い自動で梱包をします。梱包された箱はレーンを流れ等階級ごとにパレットに仕分けしてトラックで市場へ出荷されます。出荷ピークになる8月上旬には1日約9000ケースを京浜市場を中心に出荷しています。

下妻の梨の美味しさをもっと広めたい

「現在はベトナムやタイ、カナダへの輸出も行っていますが、今後はアメリカやインドネシアなど多くの国へ下妻の梨を輸出し、日本だけではなく世界へ広めていきたいです。また、下妻果樹組合連合会は今年度茨城県GAPを取得したため、2019年の茨城国体や2020年の東京オリンピックやパラリンピックに向けて下妻の梨を積極的にPRしていきたいです。梨の収穫は短く1年間手間隙をかけて丹精を込めながら育てているのでぜひ下妻の梨を手に取っていただけたらと思います。「美味しかった」と言ってもらえるような下妻の梨をこれからも届けていきたいです。」と意気込みを教えてくれました。

塩気のある料理にアクセントを

image11.jpg

「梨は冷やすと甘さを感じやすくなるので冷やして食べるのが美味しいです。保存する際にはヘタの部分を下にして新聞紙で包み野菜室で保管すると10日くらいは日持ちします。下妻の豊水梨を使った万能たれをステーキにかけたり、豊水に生ハムをまいておつまみにしたり、梨のキムチ和えなど塩気のある料理にも合います。」とより美味しく食べるポイントを教えてくれました。

image12.jpg

地元の直売所では幸水のリキュールや道の駅では豊水の梨ドレッシングやジャムなども販売しています。下妻の梨は下妻梨第一共同選果場や道の駅「しもつま」でも購入可能です。下妻の梨をぜひご家庭でご賞味ください。

取材協力

JA常総ひかり 下妻梨第一共同梨選果場

〒304-004 茨城県下妻市大木1675

TEL :
0296-43-4174
FAX :
0296-44-4914
WEB :
http://www.jahikari.or.jp/gaiyou_tenpo.html

大きな地図で見る