筑波山のふもとの温暖な気候に恵まれた果樹栽培が盛んな石岡市で、
JAやさとぶどう部会はぶどうの品質にこだわり、多くの勉強会などをおこなっています。
部会長の開田さんは今年で13年目のぶどう栽培に取り組んでいます。 産地だより

開田さんのぶどう

筑波山のふもとの温暖な気候に恵まれた果樹栽培が盛んな石岡市で、 JAやさとぶどう部会はぶどうの品質にこだわり、多くの勉強会などをおこなっています。 部会長の開田さんは今年で13年目のぶどう栽培に取り組んでいます。

気候に恵まれた果樹栽培の盛んな街

JAやさとぶどう部会 部会長 開田さんご夫婦
JAやさとぶどう部会
部会長 開田さんご夫婦

JAやさとのある石岡市は茨城県南部に位置し東京から約60km離れ、野菜や畜産を始めフルーツラインと呼ばれる道路があるなど春から秋にかけていちごやぶどう、柿、梨などの果物が実る果樹栽培が盛んな地域です。筑波山のふもとの温暖な気候が特徴で霞ヶ浦につながる園部川や恋瀬川が流れています。
今回は開田さんの粒張りのいい甘いぶどうを紹介します。

部会員全員で高い品質を保つ

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開田さんはぶどうの栽培を始めて今年で13年目になります。4反ある開田ぶどう園は開田さんご夫婦他スタッフを含め4人で栽培しており昨年は約4トンを出荷しました。栽培する品種は巨峰、シャインマスカットを始め10種類以上の品種を栽培しています。

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開田さんが部会長を務めるJAやさとぶどう部会では36名の部会員が所属しており、昨年は約280トンのぶどうを出荷しました。今年も部会員全員での品評会や摘粒講習会、圃場審査会など品質向上のための取り組みをしています。なかでも圃場審査会は部会員すべての圃場に全員で出向き、一坪の中に実る房数を部会で決め房が多くなり過ぎていないかなど確認しあうことでぶどうが高品質で均一に保てるようにしています。

1年中ぶどうに向き合って

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1月に木を剪定後、病気になりづらくする木の皮むき、芽かき、誘引、摘房、種無しで実を肥大化させるためのジベレリン処理※、摘粒、袋がけの末、8月中旬頃からぶどうを収穫できます。収穫後も次年度に向けた肥料撒きなど栽培管理が1年中休む暇なくおこなわれます。

※ジベレリン溶液にぶどうの花を浸すホルモン処理のこと。

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手入れを怠らず栄養が行き渡っていても水分が多いと実割れや夜に気温が下がらないと色が出づらかったりとぶどうは栽培が難しい品目です。雨に当たると木が病気になりやすいので雨よけのビニールを張って雨をしのぎます。「今年は梅雨が長く日照不足に続き、熱帯夜の日が多かったのでぶどうの味や形だけでなく色を出すのに苦労しました。」と開田さんは話します。

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6月から8月頃おこなわれる芽かき、摘房、摘粒作業はよく実りそうな芽を厳選し房数や粒数を減らすことでぶどうの品質を高める大切な作業です。収穫までの間も枝が伸びて葉でぶどうが隠れ栄養が分散してしまわないように、その都度伸びた枝を切り続けなければなりません。

実ったぶどうの無駄をなくすために

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ぶどうの粒が色づき始めたら袋がけをし、虫や動物の被害からぶどうを守るためにしっかりと口を縛ります。「袋がけをしてもハクビシンやカラスの被害が多いので動物が嫌う自然の物からできた匂いを撒いてみたりなど色々な対策をしていますが被害はなかなか減りません。それでも丹精込めて育てたぶどうを守るため諦めません。」と開田さんは話してくれました。

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収穫時期は栽培日数と糖度18度以上を目安に見極め、暑さでぶどうが傷まないように涼しい午前中に収穫をします。「収穫ではなるべく無駄がでないように上手く色が出なかった房や傷んでしまった粒がある房はそのまま出荷できないので100%ジュースに加工しています。見た目は多少悪くても味は美味しいので無駄をなるべく無くしたいんです。」とぶどうを最大限に活かす工夫をされていました。

食べやすい品種を消費者へ届けたい

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「平成30年に解禁になった長野県内のみで栽培されていた栽培の難しい"ナガノパープル"という品種に今年は挑戦していきたい。」と開田さん。"ナガノパープル"は種無し黒紫ぶどうで皮ごと食べらます。「消費者が食べやすい品種があれば積極的に取り入れていきたいです。これからぶどう栽培を続けてより一人前のぶどう農家になれるように精進していきます。」とぶどう栽培13年のキャリアで満足しない想いを話してくれました。
また、「多くの消費者にJAやさとぶどう部会のぶどうを届けたいです。これからも部会で一丸となり品質を高めて満足してもらえるようなぶどうを栽培していきたいです。」と部会長としての意気込みも教えてくれました。

ぶどうの甘さにこだわって

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「ぶどうを冷凍しておいて冬に食べるのが美味しいです。ぶどうは甘いので完全には凍らずシャーベットのようになってシャリシャリするよ。あとはジャムにするのもいいんだ。品種によって風味が変わるのが楽しいです。あとは、やっぱり100%ジュースが美味しいです。」また、「部会のぶどうは特に甘さにこだわり、ぶどうを糖度計で測るなど徹底して管理をしています。1年かけて丹精を込めて育てたJAやさとのぶどうをぜひ食べてみてください。」とおすすめのレシピを笑顔で教えてくれました。

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JAやさとぶどう部会のぶどうはJAやさと 柿岡直売所の他、やさと温泉「ゆりの郷」物産館などで購入可能です。今が旬の、品質にこだわった甘いぶどうを皆様もご賞味ください。

取材協力

JAやさと 営農流通センター

〒315-0116 茨城県石岡市柿岡鴻巣3594-1

TEL :
0299-44-1661
WEB :
http://www.ja-yasato.com/contents/einoh_c.html

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