ほこたは農業の街
茨城県鉾田市は、東京まで90㎞圏内に位置しており、東は太平洋、北は涸沼(ひぬま)、南は北浦に囲まれた広大な大地が特徴です。一年を通して温暖な気候に恵まれ水はけが良いことから農業に適しており、農林水産省が発表する市町村別の農業産出額「野菜部門」で全国第一位に輝いた実績があります。今回はメロンやいちご、さつまいもの産地としても有名なJAほこた園芸部会小松菜部の大場さんの圃場から、風味が良くて美味しい小松菜をご紹介します。
銘柄産地としての取り組み
JAほこた 園芸部会は平成9年に設立され、やがて小松菜を栽培する農家が増えたことから園芸部会の中に小松菜部が設立されました。現在は157名の部員が所属しており、小松菜や水菜、ほうれん草をはじめとする50品目の野菜を栽培しています。平成29年には品質の信頼性を評価されて小松菜の銘柄産地に指定、平成30年は部全体で155万ケースの小松菜を全国へ出荷しました。部ではこの品質を維持するために年4回の栽培講習会と、5月・9月・11月には目揃え会をおこない、品質の良い小松菜の出荷に取り組んでいます。
JAほこた 園芸部会では、地元の鉾田農業高校とコラボして、小松菜をはじめとする葉物野菜のパンやデザートのレシピを考案しています。現在はクックパッドにも積極的にJAほこたの公式アカウントとしてレシピを掲載しており、JAほこたが誇る野菜の消費宣伝に向けて地域一丸となり取り組んでいます。
計画的な作付けで
大場さんは18歳で大場家の長男として父の畑を引き継ぎ、今年で就農してから33年目となります。現在はJAほこた 園芸部会小松菜部の部長を務めており、有機肥料を中心に使用するなど栽培方法にこだわって周年で小松菜を栽培しています。
栽培・収穫・出荷は大場さんの奥さん・息子さんと4人の実習生でおこなっています。収穫遅れがないように、ハウス毎に種まきの時期をずらしながら計画的に作付けをしています。
自然の力を利用して
小松菜本来の姿を引き出す
大場さんは有機肥料にこだわり、収穫後ハウス内の土にも太陽熱と微生物の発酵熱を利用した太陽熱消毒を施すなど自然の力を活かした土づくりをしています。
周年栽培するためのハウス内の温度管理も石油を使わず、ハウス内の内張りのフィルムとハウスの間に散水し保温できるウォーターカーテンを使っています。
「化学肥料に頼らず有機肥料と堆肥で栽培することで安心安全な小松菜を育てたい。水分も少なければ黒く固くなってしまうし、あげすぎると茎が細くなってしまう。時期や気候によって小松菜の様子を見ながら水分調節をすることにも気を使っている。小松菜本来の姿を引き出せるように、なるべく自然の力を最大限に活かした小松菜栽培をしたいです。」と大場さんは話します。
安心安全な小松菜を届けたい
おすすめレシピを伺うと「小松菜はどんな料理にしてもおいしいね。小松菜と豚肉を塩こしょうで味付けして油炒めで食べているよ。油炒めがよく合うんだ。うちでは定番だけれど味噌汁に入れるのが一番好きです。」と笑顔で教えてくれました。
また「ぜひJAほこたの小松菜を食べてみてください。これからも品質にこだわって栽培し、JAほこたの小松菜はおいしいともっと消費者へ広めていきたいです。」と目標も話してくれました。
JAほこたの小松菜はJAほこた直営の「ファーマーズマーケットなだろう」でもお買い求めできます。ぜひJAほこた園芸部会小松菜部の銘柄産地指定を受けた小松菜をどうぞご家庭でもご賞味ください。
取材協力
JAほこた営農情報センター
〒311-1503 茨城県鉾田市徳宿2325-2
- TEL :
- 0296-36-2515
- FAX :
- 0291-36-3518