北浦地区葉物部会あさがお菜部のあさがお菜はハウス栽培に
こだわり柔らかな食感が特徴です。水野さんは今年で5年目になる
あさがお菜の栽培でさらなる品質向上に努めています。 産地だより

水野さんのあさがお菜

北浦地区葉物部会あさがお菜部のあさがお菜はハウス栽培に こだわり柔らかな食感が特徴です。水野さんは今年で5年目になる あさがお菜の栽培でさらなる品質向上に努めています。

水に富んだ土地のあさがお菜

JAなめがたしおさい 北浦地区葉物部会あさがお菜部 水野さん
JAなめがたしおさい
北浦地区葉物部会あさがお菜部
水野さん

JAなめがたしおさい北浦地区は湖の「霞ヶ浦」と「北浦」に挟まれ、温暖な気候で肥沃な土壌を活かし農業が盛んな地域です。今回は北浦地区葉物部会あさがお菜部から、水野さんがハウス栽培する柔らかな食感のあさがお菜を紹介します。北浦地区葉物部会あさがお菜部は約15年前に発足し当初は2名の部員から始まりました。その後あさがお菜栽培で試行錯誤を繰り返し、現在は24名の部員が所属しています。部全体の作付け面積は1.5haで昨年は60tのあさがお菜が出荷されました。

あさがお菜は空芯菜やエンツァイ、ヨウサイなどとも呼ばれる中国野菜です。多湿を好む野菜で茎には空洞が空いており、あさがおに似た花を咲かせることからあさがお菜とも名付けられました。

難しい品目に挑戦

水野さんはバスの運転手を定年まで勤め上げ、定年退職をきっかけに年齢にあった面白いことを始めてみたいという想いから水野家で4代目になる畑を父から継ぎました。就農から5年が経ち、あさがお菜のほか、春菊とほうれん草の栽培もおこなっています。あさがお菜を選んだ理由を伺うと「父はさつまいもやお米を栽培していたんだけれど、もし自分で農業をやるなら面白くて難しい品目がいいと思ってあさがお菜を選んだんだ。」と難しい品目に挑戦する熱意があることを教えてくれました。

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現在は水野さんと奥さん、娘さんの3人であさがお菜を栽培しており年間約2tを出荷しています。細い茎は手で、太い茎はハサミを使い手作業で収穫するため、1棟分の収穫を終えるのに約1週間程の時間がかかるといいます。

水分調節が難しい

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ハウス栽培のあさがお菜は2月上旬に種の直植えを終えた後わき芽を残し収穫、そのわき芽が伸びてきたところで新しいわき芽を残し収穫と繰り返しながら3月から11月頃まで収穫ができます。水分や温度に敏感なあさがお菜は、充分な水分と約30度〜35度の気温があれば1日に約10cmも成長することがあるそうです。

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あさがお菜は水分が不足したり、成長しすぎたりすると固くなってしまう性質があります。さらに収穫が間に合わず、つるになってしまうと規格外となり出荷ができなくなるため、収穫が遅れないように灌水(かんすい)チューブから水分を与える時間を調節することに加え、日光を好むあさがお菜の葉が増えていくと互いの葉で影になって成長できなくなってしまうのを防ぐため定期的な間引きが必要となります。
水野さんは「妻と娘3人で収穫と袋詰めもおこなっているよ。1度植えると長く収穫できるあさがお菜だけれど調節が難しいんだ。手間がかかるけれど美味しいあさがお菜を届けたい。」と笑顔で話してくれました。

食感にこだわって

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7月4日に水野さんの所属する北浦地区葉物部会あさがお菜部の目揃会がおこなわれました。目揃会では部員が集まり、品質を統一するために実際のあさがお菜を前に意見交換がおこなわれました。あさがお菜の袋には出荷者を特定できる出荷者番号が印字されており、他の出荷者と比較しながら病害虫の有無や品質が劣っていないかなどの確認ができます。目揃会は8月にも予定されており、その他、現地検討会なども出荷期間内に定期的に実施することで品質向上に努めています。

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部会ではハウス栽培でエンサイとエンツァイという2種類の品種のあさがお菜を栽培しています。ハウス栽培のあさがお菜は露地栽培されたあさがお菜に比べ急な温度変化や風などの衝撃を受けないため茎が細く柔らかい特徴があります。柔らかいために衝撃や温度で傷みやすく慎重な収穫や予冷、袋詰め、箱詰めの作業が必要とされます。栽培時には暑さに強いあさがお菜ですが収穫後は暑さに弱いので7度から8度の予冷をかけ鮮度を保つことや袋詰めでは葉を綺麗に統一した状態に詰めること、箱詰めでは重さで葉や茎が傷まないようにあさがお菜を立てた状態でダンボールに詰めることなど徹底した品質管理がおこなわれていました。

変わらない想い

水野さんに今後の目標を伺うと「あさがお菜は成長が早いから収穫が終わるまで毎日つきっきりの作業になってしまうんだ、それでも収穫が追いつかないこともあるから無駄を少なくしていきながらもっと色を良くしたり品質を向上させていきたいです。あさがお菜のほかにもハウス栽培ができるほかの難しい品目にも挑戦してみたいな。」と就農時から変わらぬ熱い想いを話してくれました。

こだわりの柔らかな食感

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水野さんと北浦地区葉物部会におすすめのレシピを伺うと「ベーコン、にんにく、あさがお菜を一緒に炒める油炒めかな、それからこの部会のあさがお菜はハウス栽培で柔らかいから生でツナと一緒に和えてツナサラダも美味しいんだ。」また、他の部員は「刻んで他の野菜とかき揚げにするのも美味しいよ。お酒のおつまみにもなるんだ。」と教えてくれました。

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JAなめがたしおさい北浦地区葉物部会あさがお菜部のあさがお菜は、6月から8月に出荷ピークを迎えます。柔らかい触感にこだわったハウス栽培のあさがお菜をぜひご家庭でもご賞味ください。

取材協力

JAなめがたしおさい 北浦営農経済センター

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