ボリュームのあるちぢれた葉が特徴のちぢみほうれん草。甘みと旨みが詰まった冬季限定の葉物野菜です。JA水戸茨城町葉物生産部会では品質だけでなく見た目にもこだわって年間1万ケース以上のちぢみほうれん草を出荷しています。 産地だより

海老沢さんのちぢみほうれん草

ボリュームのあるちぢれた葉が特徴のちぢみほうれん草。甘みと旨みが詰まった冬季限定の葉物野菜です。JA水戸茨城町葉物生産部会では品質だけでなく見た目にもこだわって年間1万ケース以上のちぢみほうれん草を出荷しています。

葉のちぢれがおいしさの証

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JA水戸管内のひぬま地区は水はけのよい火山灰土でメロンをはじめとした数多くの施設野菜と馬鈴薯などの露地野菜の栽培が盛んです。なかでも、ちぢみほうれん草は20年ほど前から栽培され、出荷量は県内で上位を占めています。
ちぢみほうれん草は"寒じめほうれん草"とも呼ばれ、厳寒期の寒さで葉が凍らないよう糖分を蓄える作物の性質を活かした"寒じめ栽培"という方法で栽培します。一般的なほうれん草より甘みが強く、ちぢれた厚みのある葉が特徴です。

寒さに強い、ちぢみほうれん草に着目

JA水戸茨城町葉物生産部会は平成17年に発足しました。多種類の葉物野菜を取り扱い、ちぢみほうれん草は30名の部会員で12月中旬から2月下旬まで出荷しています。

JA水戸茨城町葉物生産部会 海老沢さん
JA水戸茨城町葉物生産部会
海老沢さん

海老沢さんの前職は大工でしたが代々続く農家を6年前に継ぎました。冬場の作付けに適した農作物が少なかったことをきっかけに父の代から始まったちぢみほうれん草の栽培を続け、受け継いだノウハウと土壌診断に基づいた独自の配合肥料で昨年は700ケースを出荷しました。

順調に生育するように

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ちぢみほうれん草は自然環境の影響を直接受けやすい露地で栽培されます。海老沢さんは「ちぢみほうれん草は地面を這うように葉が広がるため高畝で水はけをよくし、雨で水没しないよう気をつけています。雑草もこまめに抜き、牛糞たい肥なども使用して病害虫の原因を取り除くよう工夫しています。」と栽培のポイントを教えてくれました。
地面が見えなくなるほど成長すると、葉から絞った樹液で糖度検査をおこない糖度8度以上で収穫されます。

丁寧な手作業で一つひとつ

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収穫後は余分な葉と根部についた泥を丁寧に落とし、根の長さを5mmに切りそろえて袋詰めします。「泥がつくと乾いた際に目立つのでシートを使ってビニールにつかないように素早く袋に入れます。慣れると簡単ですが葉にボリュームがあるので意外と難しいんですよ。すべて手作業なので袋詰めが一番手間のかかる部分ですね。」と海老沢さんは話します。袋詰めされた青々としたちぢみほうれん草は関東・東北地方などに出荷されます。
海老沢さんは今後の目標について、これからも丁寧に栽培を続けていきたいと教えてくれました。また、部会では部会員全員で一致団結し、安定した品質で引き続き出荷をおこなっていくとのことです。

糖度8度以上の甘さと肉厚で柔らかな葉が美味!

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ちぢみほうれん草は甘みがより引き立つ味噌汁や炒め物、肉厚で柔らかな葉を活かしたクリームシチューなどにおすすめです。冬の寒さに耐えたちぢみほうれん草は通常のほうれん草に比べて茎が太いため茎は少し長めに、葉はさっと茹でるのがポイントとのことです。

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海老沢さんは「出荷時期が短く出荷量も多くないため、ちぢみほうれん草をまだ知らない方も多いようです。ぜひともちぢみほうれん草のおいしさを知ってもらいたいです。」と話してくれました。また、JA職員からは「一度このおいしさを味わってしまったらリピート間違いなしです。」と太鼓判を押す声が上がりました。
JA水戸茨城町葉物生産部会のちぢみほうれん草は各地の量販店のほか、JA水戸グリーンハウスひぬまでもお買い求めいただけます。冬季だけに味わえる甘いちぢみほうれん草をぜひご賞味ください。

取材協力

JA水戸 南部営農資材センター

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