JA岩井 岩井農協園芸部会では品種の選定や計画的な輪作をおこない、周年でねぎを出荷しています。3月から5月にかけて出荷される春ねぎは、冬の厳しい寒さに耐え抜いた証である甘みと柔らかな肉質が特徴です。 産地だより

横川さんの春ねぎ

JA岩井 岩井農協園芸部会では品種の選定や計画的な輪作をおこない、周年でねぎを出荷しています。3月から5月にかけて出荷される春ねぎは、冬の厳しい寒さに耐え抜いた証である甘みと柔らかな肉質が特徴です。

ねぎ栽培の長い歴史と計画的な作付けで

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JA岩井のある坂東市は昔、米麦や葉たばこなどの栽培が盛んでしたが芽吹大橋の開通により交通の便がよくなり、野菜の栽培が本格化しました。ねぎ栽培は約70年前からおこなわれ現在はレタスと輪作する作付け体系に加えて都心から50キロ圏内の立地を活かし、ねぎを安定的に出荷しています。JA岩井でのねぎ生産量は全国・県内でトップクラスを誇り、茨城県銘柄産地にも指定されました。

部会員一丸となって、周年でねぎの出荷を

JA岩井 岩井農協園芸部会は昭和60年に発足し、部会全体で339名が所属しています。そのうち280名が春ねぎ・初夏ねぎ・夏ねぎ・秋冬ねぎのいずれかを栽培し、ねぎの周年出荷をおこなっています。

JA岩井 岩井農協園芸部会 東支部副支部会長 横川さん
JA岩井 岩井農協園芸部会
東支部副支部会長 横川さん

横川さんは4代以上続く農家を継ぎ、部会の東支部副支部会長を務めています。以前は海外への留学やさまざまな仕事をされていましたが32歳の時に就農しました。「親の助けになると思って後を継ぎました。栽培方法について父はあれこれ教えてくれるタイプではないので見て学び、若い世代の生産者と品種の選定や肥料などについてたくさん情報交換し切磋琢磨しています。」と就農のきっかけについて教えてくれました。現在、ご家族と外国人研修生の計10人で年間35,000ケースものねぎを出荷しています。

安定して栽培を続けるための工夫

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春ねぎは他の品種に比べてとう立ちが遅い「春扇」「龍まさり」などを使用し、5月から6月に種をまき7月に定植します。横川さんは「近年はねぎの栽培が年々難しくなっています。厳しい気象条件が重なり、これまで通りの栽培では通用しなくなっているのが現状です。春ねぎでも毎年7種類ほどの品種を使用して、おおよそ3年から5年おき、なかには1年という短い期間で品種を見直しています。」と安定した栽培をおこなうための工夫を教えてくれました。

冬越しの甘い春ねぎを栽培するために

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収穫は越冬した翌年3月からはじまります。「春ねぎの出荷基準は軟白部が27cm以上※必要なため収穫時期に合わせて土寄せするタイミングが他の時期のねぎに比べて難しいです。春ねぎは特に栽培期間が長いので、肥料の持ちが重要になります。そのため、私の圃場では自家製完全堆肥の肥料で栽培をおこなっています。肥料により味も変わってくるので、とりわけこだわっている部分です。」と横川さんは話してくれました。

※他の時期の出荷基準は軟白部が25cm以上。

農業のあらゆる課題に向き合って

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今後の目標について横川さんは「目標は規模を拡大していくことです。とはいえ、簡単なことではなく近年の資材高騰や生産者の高齢化、労働環境の問題など農業にはたくさんの課題があり、生産者それぞれが苦労して品質を落とさず出荷をおこなっている状況です。幸いにもこの地域には若い生産者もいるので次世代化に向けて積極的に取り組み、部会員全員で足並みを揃えて、みんなで良い品質のねぎを作り続けていきたいです。」と話してくれました。

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おすすめのレシピについて伺うと「ねぎのマリネがおすすめです。ねぎに焼き目をつけて、オリーブオイルと砂糖、ゆずぽん酢(レモンなどでも可能)で漬けたら完成です。簡単で作り置きにも良いですよ。」と横川さんの奥様がとっておきのレシピを教えてくれました。また、JA岩井のホームページではねぎのアヒージョなど、ねぎを活かしたレシピを多数紹介しています。3月から5月までの短い期間だけに味わえる甘い春ねぎを是非ご賞味ください。

取材協力

JA岩井 野菜予冷センター

〒306-0641 茨城県坂東市鵠戸427-1

TEL :
0297-35-8861
WEB :
http://www.ja-iwai.jp/?page_id=59

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