果樹栽培が盛んな下妻地区
JA常総ひかり管内の下妻地区は茨城県の南西部に位置しています。鬼怒川流域の肥沃な土壌と温暖な気候を活かした果樹栽培が特に盛んです。
JA常総ひかり下妻市ぶどう出荷組合は下妻地区で55年以上前からぶどうの栽培をおこなっています。現在は5軒の生産者が所属し、主要品種の巨峰・シャインマスカットのほか、ブラックビート・マスカットビオレ・安芸クイーンなどを共同出荷しています。
なしの名産地でぶどう栽培に挑戦
野尻さんはぶどうの栽培歴が40年以上にもなります。現在、奥様と2人で総面積60aのハウスで種無し巨峰とシャインマスカットを栽培しています。野尻さんはぶどう栽培のきっかけについて「下妻地区はなしの名産地で知られていると思いますが、祖父の代では梨の栽培をしていました。父が継いだ当時に巨峰が世間で出始め、県外のぶどう産地へ視察にいったことをきっかけにぶどうを導入しました。父がぶどう栽培を始めてから近所の農家さんにも広まり、今でもこの地域では昔からぶどうを栽培している農家さんが多いですね。私の代からは完全ハウス栽培に変えて栽培をしています。」と話してくれました。
良いぶどうを育てるための環境づくり
日本でのぶどう栽培では生育期に雨が多いため、ぶどう棚の上部にのみビニールを張る"雨よけ"を使用して栽培をおこなうのが一般的ですが、野尻さんの圃場では県内でも少ない完全ハウス栽培でぶどうを育てています。ハウスでのぶどう栽培は早期出荷が可能になることや路地栽培に比べて病害虫の発生リスクを抑えられ消毒の回数を減らせるといったメリットがあります。
野尻さんは「ハウス栽培の良いところは良い品物を安定して作れることです。ぶどうは雨に弱い果物なので、雨にあたると病気にかかりやすくなったり、実に傷ができたり割れて出荷ができなくなってしまうんです。」と教えてくれました。
野尻さんの細やかな管理が行き届いたハウス内には、ずっしりとした大きな房のぶどうがたくさん実っていました。
品質の良いぶどうを届けたい
野尻さんに今後の目標について伺うと「"コンパクトにおいしいぶどうを作る"をモットーにしています。栽培面積を抑えたとしても"良い品質"にこだわってぶどう栽培を続けていきたいです。」と意気込みを話してくれました。また、JA職員からは「生産者が安心して栽培を続けられるように安定した出荷量を確保していきたいです。良い品質のぶどうを実らせるには長い年数がかかります。生産者それぞれが丹精を込めて一房一房丁寧に栽培したぶどうを、ぜひ味わっていただきたいです。」と話してくれました。
JA常総ひかり下妻市ぶどう出荷組合のぶどうは茨城県内と首都圏内の各量販店でお買い求めいただけます。7月から9月末まで出荷される粒が大きくジューシーなぶどうを是非ご賞味ください。
取材協力
JA常総ひかり 千代川野菜集出荷所
〒304-0321 茨城県下妻市別府1240
- TEL :
- 0296-43-7626