フリージアは定番の黄色だけでなく、さまざまな色の花を咲かせ、春の訪れを告げるような甘い香りが魅力の花です。茨城県は全国有数のフリージアの切花産地で、倉持さんはバリエーションにこだわって栽培をおこなっています。 産地だより

倉持さんのフリージア

フリージアは定番の黄色だけでなく、さまざまな色の花を咲かせ、春の訪れを告げるような甘い香りが魅力の花です。茨城県は全国有数のフリージアの切花産地で、倉持さんはバリエーションにこだわって栽培をおこなっています。

日本のフリージア生産を
守り続ける生産者のひとり

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フリージアは丸みのある花びらが特徴で、穂状に咲いて甘い香りを放ちます。黄色や白が主力ですが紫やピンク、赤といった珍しい色もあり、現在は150種類以上の品種が存在しています。

倉持さんご家族
倉持さんご家族

倉持さんは県西部では数少ないフリージア栽培をおこなう生産者のひとりで、一代でフリージアの栽培に取り組み52年になる大ベテランです。奥さん、息子さんの3人で12月から4月にかけて年間約13万本を出荷しています。「高校を卒業後、先輩に勧められ越谷市の農家のもとでフリージア生産などの研修を受け、花きの栽培をはじめました。」と就農のきっかけついて教えてくれました。

常にお客様の要望に応えられるように

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通常では3月から4月頃に咲くフリージアですが、球根に冷蔵処理などを施す"冷蔵促成栽培"をおこなうことで本来よりも早い11月から12月にかけての出荷を可能にしています。「定番の品種だけでなく八重品種や色数にもこだわり約15品種を栽培しています。手間がかかりますがフリージアは品種により性質がかなり異なるため品種によって冷蔵する日数や温度を変え、作付けする球数や時期を細かく調整することで注文があった際にすぐに出荷できるように栽培しています。」と倉持さんのこだわりについて教えてくれました。「人と同じようにフリージアも品種によって性格が違います。敏感な植物なので管理の仕方で出来上がりも変わってくるんですよ。」と奥さんも話します。
また、フリージアは連作を嫌い病気になりやすい植物でもあるため息子さんは「ハウスで栽培しているため太陽熱による加熱を利用した"太陽熱土壌還元消毒"をおこない、病気の発生を防いでいます。」と教えてくれました。

多彩なフリージアを、
たくさんの人に届けていきたい

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今後の目標について倉持さんは「各地で生産者が少なくなってしまっており課題はありますが、流行にあった品種を取り入れて喜んでもらえるようなフリージアを作り続けていきたいです。フリージアは脇役の花だと思われがちですが、黄色だけでなくカラフルでさまざまな色があるのでフリージアだけのアレンジメントもできます。香りもとても良いので贈答花としてだけでなく、ぜひ日常にも取り入れてみていただければと思います。」と話してくれました。

倉持さんの一押し品種!

アンコナ(八重咲き)
アンコナ(八重咲き)

倉持さんがおすすめする品種は、透き通るような紫が美しいアンコナ(八重咲き)、ブールバール(黄色・八重咲き)、バージニア(白・八重咲き)、ハネムーン(ピンク・八重咲き)、スカーレットインパクト(赤)です。
飾り方は「フリージアは水揚げが良い花なので飾る前に茎の元を切り、水が汚れないように適宜交換してください。直射日光が当たらない涼しいところに置いておくと長持ちします。寒い時期には先端の花が開くまで1か月から長いと2か月くらいかかるので、少し手間ですが萎んだ花を摘んでいくと最後まで綺麗に楽しめますよ。」と教えてくれました。
色鮮やかで可憐な花姿と上品な甘い香りが魅力のフリージアで、お部屋を彩って癒されてみてはいかがでしょうか。

取材協力

JA茨城むつみ 三和地区営農センター

〒306-0125 茨城県古河市仁連2074-1

TEL :
0280-76-1717
WEB :
https://www.jamutsumi.com/annai.html

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