JAほこたのある鉾田市はメロンの生産量が日本一を誇ります。
JAほこたメロン部会では、約160名もの部会員がイバラキングを含む7品種のメロンを栽培しています。なかでもイバラキングの出荷量が最も多く、イバラキングのみで4割以上も作付けされています。
イバラキングは茨城県で長い間、培かわれてきたメロンの栽培技術を結集し10年以上の歳月をかけて作りあげた茨城県オリジナル品種です。糖度16度でしっかりと甘さがありながら、すっきりとしていて、ほかの品種にはない爽やかな味わいが魅力の緑肉メロンです。
今回はJAほこたメロン部会の部長を務める鷺沼さんの圃場に伺いました。

鷺沼さんはJAほこたでイバラキングを導入する前の栽培試験に取り組んだ生産者のひとりです。「研究部に所属していた頃、研究部員の数名でのちの『イバラキング』となる品種のメロンを少ない面積で実験的に栽培しました。栽培するのには癖がある品種ですが、味がとても印象的だったのを覚えています。」と当時について話してくれました。
父の代から続くメロン栽培を25年以上続ける鷺沼さん、現在は60棟ものハウスでイバラキングの栽培をおこなっています。「父がメロン農家だったので子供の頃に手伝いをしたり、友達と一緒に食べたりして、自分にとってメロンは身近なもので結婚を機に28歳の時に就農しました。父の代ではプリンスメロンなどのネットがないメロンが主流でしたが、近年はネットメロンが主流になり、私は特にイバラキングにこだわって栽培しています。」と就農のきっかけを教えてくれました。

メロンの特徴であるネットを形成させるには温度や湿度が重要です。ネットが形成される時期に温度と湿度のバランスが崩れると表面が大きく割れ、太く大きなネットが入ってしまいます。特にイバラキングはビニールハウス内で無加温栽培するため天候の影響を受けやすく、きめ細かな網目に栽培するのが難しい品種です。鷺沼さんは「イバラキングは、なんといっても味がとってもいいです。大きさもあり棚持ちがいいのでイバラキングを選んでいます。難しいからこそ、うまく作ってやろうという気持ちになるんです。栽培がうまくいけば嬉しいですし、やりがいを感じさせてくれる品種です。」とイバラキングを選ぶ理由を教えてくれました。

鷺沼さんに目標を伺うと「とても難しいことですが、8割以上の秀品率を目指して栽培しています。メロン栽培は一発勝負で、8割が天候で決まると言っていいほどです。ですが、栽培がうまくいかない場合には反省し原因と対策を練って、また来年と、常に上を目指して栽培を続けていきたいです。」、部会での目標については「イバラキングの魅力を広められるように、市場やお客様のニーズに応えるための試行錯誤を重ねています。茨城県が日本一のメロン産地であり続けるために、イバラキングで産地を盛り上げていきたいです。」と熱い想いを話してくれました。

鷺沼さんは「メロンは追熟しても甘さは変わらないので好きな食感になる頃合いで食べてください。私は硬めな食感が好きなので、あまり日にちを置かず食べています。皮のギリギリまで食べられるような柔らかいメロンがお好きであれば長めにおいてから食べていただければと思います。イバラキングは棚持ちも良いので長めにも置いておけるんですよ。」と食べ頃について教えてくれました。
JAメロン部会のイバラキングはJAほこた ファーマーズマーケット なだろうでもお買い求めいただけます。部会ではイバラキングをさらにPRするため市場や量販店での試食宣伝会や県内のイベントにも参加しています。
甘く爽やかな味わいが癖になるイバラキングを、ぜひご賞味ください。