JAやさと有機栽培部会では全部会員が個人で有機JAS認証を取得し、年間を通してさまざまな有機野菜を栽培・出荷しています。2023年には持続的な有機農業の取り組みが評価され日本農業賞大賞と内閣総理大臣賞を受賞しました。 産地だより

JAやさと有機栽培部会

JAやさと有機栽培部会では全部会員が個人で有機JAS認証を取得し、年間を通してさまざまな有機野菜を栽培・出荷しています。2023年には持続的な有機農業の取り組みが評価され日本農業賞大賞と内閣総理大臣賞を受賞しました。

有機農業が盛んな八郷地区

JAやさと有機栽培部会 部会長 田中さん・原田さん
JAやさと有機栽培部会
部会長 田中さん・原田さん

JAやさと管内の石岡市八郷地区は筑波山などの山々に囲まれた地域です。傾斜地が多く小さな畑が点在しているため古くから多品目栽培の農業が盛んにおこなわれています。
JAやさとは全国でも先駆的に有機栽培※を導入し、1997年にJAやさと有機栽培部会が発足しました。現在32世帯が所属し、レタスや小松菜、かぶ、だいこんなどの主要品目からビーツやラディッシュといった珍しい品目まで約35品目もの安心・安全な有機野菜を出荷しています。

  • ※有機栽培(有機農業):「有機農業」とは、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業をいう。(農林水産省より引用)

危機から一転、目を付けたのは"有機野菜"

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JAやさとは1976年から生協との産直取引をおこなっています。卵の販売開始から青果・米・納豆と広がり、1995年には"やさとグリーンボックス"という多品目の野菜が毎週届く詰め合わせセットを販売、毎週5000セットが発送されるほどの人気商品となりました。しかし八郷地区の複雑な地形上、生産が追いつかず品目数が少なくなったことにより2年で注文数が半減しました。JAやさとと生協は一般の野菜との差別化を図るため"有機野菜"に着目し、さまざまな有機野菜を追加したところ、お客様の関心が高く好評となりました。ニーズに応えるためJAやさとではかねてより八郷地区で有機栽培をおこなう生産者を中心に部会を立ち上げ、本格的に有機栽培をはじめました。

有機農業で広がるコミュニティ

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部会では「ゆめファームやさと(JAやさと)」と「朝日里山ファーム(石岡市)」と連携して有機農業での独立を目指す研修生を毎年募集しています。研修の1年目は有機農業を学び指導農家のサポートを受けながら研修圃場で実践、2年目は新しく入った研修生をフォローしながら技術を深め、研修後は独立するといったサイクルで地域農業の担い手を増やし生産規模を拡大しています。前述の研修機関の卒業生は部会員の7割を占め、北海道から宮崎県の移住者やさまざまな世代の作り手がいます。田中さん・原田さんもゆめファームやさとの卒業生です。田中さんはITの営業職から家族でできる仕事がしたいという想いで父の実家が八百屋だったこともあり農業の道へ、偶然にも最初の研修先が有機栽培の農家で有機野菜に興味を持ち、知人の勧めで応募されました。原田さんは東都生協の配送担当をしており仕事を通しての勉強会や生産者とふれあいから国内で有機栽培をおこなっている割合が少ないことを知り、これはチャンスだと感じて就農されました。

1人では実現できない、
この地と仲間がいるからできる
持続可能な農業

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虫を寄せ付けないために
防除ネットを張ったトンネル

部会の大きな特徴は生産者が個人で有機JAS認証※を取得している点です。部会が一丸となりながら各生産者が厳しい基準に基づいて多品目を栽培することで、バリエーションに富んだ有機野菜の安定出荷を実現しています。田中さん・原田さんは「畑の生態系を整える必要があり環境づくりに多くの手間がかかりますが、環境負荷を減らせることや市場価格が安定していること、そして何よりも安心・安全であることが有機栽培の良い点です。土づくりには地域の畜産の有機物も有効利用しています。」と教えてくれました。

  • ※有機JASとは:有機JASは、有機食品(農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品)について農林水産大臣が定める国家規格です。有機食品のJASに適合した生産が行われていることを登録認証機関が検査し、その結果、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。(農林水産省より引用)
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生協に出荷する有機野菜には
各生産者からのメッセージを添えている

今後の目標について伺ったところ、田中さんは「有機農業をどうやって広めていくかが部会の課題です。みなさんも国内の環境や農業に関心を持って、応援していただけたらと思います。これからもおいしい野菜を届けていきます。」また、原田さんは「安定出荷に一層務めていきます。ぜひ味わっていただき、みなさまからの声を届けてくれたら嬉しいです。」と話してくれました。部会ではさらなる品質向上や規格の統一化のための目揃え会や定例会などの実施に加え、生協とでは消費者に有機農業の知識を広める交流会もおこなっています。

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HPInstagramではおすすめレシピや産地の様子を発信しているので、ぜひチェックしてみてください。JAやさと有機栽培部会の有機野菜は各生協や量販店のほか、JAやさと管内の園部農作物直売所、柿岡直売所でもお買い求めいただけます。

取材協力

JAやさと 営農流通センター

〒315-0116 茨城県石岡市柿岡鴻巣3594-1

TEL :
0299-44-1661
WEB :
https://www.ja-yasato.com/contents/einoh_c.html

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JAやさと 園部直売所「里の四季」

〒315-0123 茨城県石岡市宮ヶ崎472-2

TEL :
0299-46-6479
WEB :
https://www.ja-yasato.com/contents/tyokubai.html#sonobe

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JAやさと 柿岡直売所

〒315-0116 茨城県石岡市柿岡3638-1

TEL :
0299-44-8310
WEB :
https://www.ja-yasato.com/contents/tyokubai.html#kakioka

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