ガスなし生活奮闘記(第3回)
オール電化住宅に住むことになった青井さんのくらし
コミュニケーション誌「いきいきがす」から
第3回
IHクッキングヒーターの、「火を使わないから安全」は、間違いだった!
「オール電化住宅は、火を使わないから安全・安心」と言われて安心しきっていた青井ホノオさん一家。
そんな心の隙間をつくように、IHクッキングヒーターでいくつかの事件が起きていたのです。

うわっ、熱い。やけどしちゃった!
- カズミちゃん
- うえ~ん、ママ、助けて~!手をやけどしちゃったよ~!
- カズエお母さん
- えっ、大変!すぐに手当てしてあげるから、こちらへいらっしゃい。まず流水で手を20分ほど冷やし続けて・・・。痛みがなくなってきたらいいけれど、どう?
- カズミちゃん
- うん、もう大丈夫みたい。ママ、ありがとう。
お掃除のお手伝いをしようと思って、IHヒーターのトッププレートを触ったらとっても熱かったの。 - モエおばあちゃん
- カズミちゃんもかい?おばあちゃんも以前やけどしたんだよ。それ以来、トッププレートがなんだか怖くってね。
ガスコンロなら熱を感じるから分かるけど、IHは触るまで熱いかどうか分からないでしょう。
温度注意ランプが消えていても、心配でね。 - カズエお母さん
- おばあちゃんもカズミも気を付けてね。


あっ、天ぷら油が燃えている!
- ホノオお父さん
- そういうお母さんも気を付けないと!
この前、危うく火事になるところだったじゃないか。
天ぷらが終わった後のドロドロした油を、処理しようと過熱しているときに、IHの前を離れたから天ぷら油に火がついたんだ。
残った油の量が少なかったから、急激に温度が上がって、温度センサーが正確に温度を測ることができなかったんだよ。 - カズエお母さん
- 離れたのは悪かったけれど、まさか火が付くとは思わなかったわ。温度センサーがあるし、それよりも裸火を使わないからIHは安全だって聞いていたわ!
それだから、IHにしたのに・・・。 - カズオくん
- これくらいは取扱説明書にも書いてあるよ。
ママはどんな機械も説明書を読まないで使うから、いろんな失敗をするんだよ。 - モユルおじいちゃん
- どうやら「火を使わないから安全」という言葉が一人歩きしているようじゃな。あまりにも安全ということが強調されすぎて、「どんな使い方をしても大丈夫」と思いこんでいたんだろう。便利で安全といっても、意外なところに落とし穴があるから注意しないとな。「絶対安全」はあり得ないことじゃよ。
- ホノオお父さん
- そうだね。うちのことではないけれど、実際IHでも火災は起こっているんだ。
古くなって底がでこぼこになったり、変形している鍋だと、IHとの接地面の関係で温度センサーが誤作動を起こす可能性もあると言うから気を付けないとね。
カズオ、片手鍋で野球ごっこをして、鍋をへこませちゃダメだよ! - カズオくん
- 今はサッカーが好きだから、そんなことはしないよ。
- モエおばあちゃん
- 冷めたみそ汁を温め直していたとき、突然沸騰して、みそ汁が飛び散ったことがあったでしょう。
カズオちゃんが爆発だって騒いでいたけれど、あれはIHもガスも同じ。下に沈殿した味噌の周囲だけが熱くなりすぎたからよ。
IHでもガスでも、調理中はコンロのそばから離れず、正しい使い方と調理法が大切なのよ。

