くらしのサービス

ガスなし生活奮闘記(第4回)

オール電化住宅に住むことになった青井さんのくらし

コミュニケーション誌「いきいきがす」から

第4回
「ガスがない生活」って、ホントはどうなの?

オール電化住宅にも慣れてきた青井さん一家。しかし家の中に「火がない」ことには、いまだに違和感があるようです。
そこで「ガスなし生活」の本音について、ホノオさんは家族に聞いてみたのです。

毎月の料金も、トータルコストも大切!

ホノオお父さん
最初はお湯切れしたり、IHになってコンロの使い方が変わったりして戸惑ったけど、もう慣れたね。電気だけでも快適なんだけど、どうもしっくりこないなあ。
カズエお母さん
IHも電化製品と割り切れば、とっても簡単よ。それに毎月の光熱費が少ないから、このご時世では大助かりよ。
ホノオお父さん
実は光熱費のコストを計算し直したんだ。初期費用とランニングコストを合わせてね。するとうちの場合、電気でもガスでもそれほど変わらないんだよ。
カズミちゃん
どうして?安いからオール電化にしたんでしょ。
ホノオお父さん
エコキュートの方が設備費などの初期費用が高くて、機械の寿命が短いからなんだ。ガスも使用料などによって割引プランがあるから、10年間のコストを比較すると、差は小さいんだ。
モユルおじいちゃん
電気は、家の中でCO2を出さないからエコっぽいけど、発電所では出しているし・・・。使いたいときにお湯を使えるガスの方が便利な気がするな。結局、使い方を考えないと、環境にも家計にもメリットは少ないようじゃな。

「火育」で、脳が刺激される。

カズエお母さん
最近、「火というものがよく分からない」って言う子供が多いと聞くわ。IHにして、家の中で火を使わなくなったからかしら。
モユルおじいちゃん
田舎旅館に泊まったとき、囲炉裏のまわりを走り回っていた子供がいたけど、危なくてハラハラしたよ。
聞いてみると、マッチを擦ったことがないどころか、火を見たことがないって言うんだ。火の怖さも分かっていなかったんじゃな。
ホノオお父さん
そうか、家の中に火がないから違和感があったんだ。最近じゃ「火育」って言うそうだけど、火に親しんだり、火を学ぶことが、家庭での教育に欠けてるね。
ガスコンロなど、家の中に炎があれば、火を利用することだけでなく、やけどや家事など、火の怖さも勉強できるのにね。
カズエお母さん
火加減や味付けの仕方も覚えられて、料理も楽しめるわ。それに一緒に作ると、脳の中のコミュニケーション力や思考力、感情などをコントロールする部分が活性化するそうよ。
モユルおじいちゃん
それはいいね。脳が育つし、人間本来の持つ生きるチカラも身につけることになるんじゃな。
この前、カズオと火おこし体験に行ったことで、火の大切さを改めて実感したな。

安全を見直して、災害に備えよう。

モエおあばちゃん
カズミちゃんがIHでやけどしたことがあったでしょう。あれからIHも電気も、どうしても安全だと思えなくて・・・。
カズオくん
電子制御で全部やってくれるよ!家電製品もIT化が進んで、コンピューターにおまかせさ。
モエおあばちゃん
でも電気は目に見えないでしょう。だから分からなくて余計に心配なのよ。漏電や感電ということもあるから・・・。使い慣れていて、目で確認できるガスの方が、私には安心よ。
ホノオお父さん
それじゃ、わが家の安全を確認してみようか。機械任せではダメだし、大きな災害に遭ったこともないから、日頃の備えが不十分かもしれないね。いざというときのために、しっかりと対策しておかないと。まずは地震対策から始めたらどうかな。
カズオくん
やった~、今度は「青井家の災害対策室」をつくるんだね。