手しおにかける

第6回「和牛甲子園」に向けて【中央農業高校】

2023年01月12日


全国の高等学校で和牛を育てる高校生が、和牛の肉質と日頃の取り組みを競い合う「和牛甲子園」は、JA全農が「将来の担い手候補である高校生の就農意欲の向上」と「日本各地で同じ志を持つ高校生同士のネットワークを創出し、意欲と技術の向上を図る」ことを目的に開催している大会で、今年で第6回目を迎えます。

JA全農とやまでは、今年も1月19日に開催される「和牛甲子園」への出場に向け、牛の肥育や課題研究に取り組んでいる富山県立中央農業高等学校の生徒たちを取材し、奮闘する様子をお届けします。



今回は、12月におこなわれた3年生の生徒たちの総合実習の授業にお邪魔しました。
この日の授業では、牛の餌やりや状態観察といった「一般管理」といわれる基本的な作業がおこなわれていました。その様子を一部ご紹介します。


まずは、お腹を空かせて待っている牛たちに餌やりをおこないます。

中央農業高校では、子牛には「チモシー」、大きな牛には「バミューダ」という牧草をあげ、牛の生育段階に合わせて餌を分けて与えています。


まずは餌を牛が食べやすい大きさにカット。



カットした餌を容器に入れるとすぐに、みんな勢いよくもりもりと食べていました。


ところで、えさの横に設置してあるこの小さな塊。
牛たちが美味しそうに舐めるこの塊、皆さん何かご存じですか?



これは「リッチ塩」という固形の塩で、牧草を主食とし、塩分不足になりやすい牛が自由にミネラルを摂取できるように作られたもので、牛たちにとって重要な栄養源とのこと。

そもそも牛は塩が好きで、さらに牛が美味しく感じられるよう作られているそうで、「リッチ塩」には牛の舐め跡がくっきり。



餌やりを終えると、次は牛のブラッシング作業をおこないます。

使用するのは画像のような先がギザギザした形状になっているブラシ。



ぐるぐると動き回る牛たちをうまく交わしながら誘導し、手際よくブラッシングをはじめる生徒たち。



今年の和牛甲子園の出品牛も、4人がかりで体の左右、上下をくまなく丁寧にブラッシング。

このブラッシングにより、全身の汚れを落としたり、毛並みを整えます。牛も大人しく、気持ちよさそうにブラッシングを受けている様子でした。

生徒の一人に話を伺うと、「授業のない日も、甲子園に向けて毎日ブラッシングしています」とのこと。
毎日手をかけ、愛情をかけて牛のお世話をしている様子が伺えました。


「一般管理」の作業を終えた後は、和牛甲子園で放映される学校紹介用の動画を撮影することに。

カメラの前に集まり、先生の「撮るよー!」という掛け声に、高校生らしく元気な掛け声とともにポーズをとる生徒たち。


掛け声とともに皆で牛さんポーズ



今年、和牛甲子園に出場するのは3年生の男子生徒4名。
生徒たちは、2名は今年度の同校の研究課題である「牧草地の更新」に取り組む「牧草地班」、2名はJGAP取得に向け取り組む「GAP班」に分かれ、日々の牛のお世話に加え、牧草地の改良作業や牛舎の清掃・管理等に取り組んできました。

今回の和牛甲子園では、牧草地の更新に向けた取組みについて発表し、共励会では自分たちがてしおにかけて育てた牛を出品します。

生徒の皆さんにとって、今年度の取り組みの集大成ともいえる大きな意味を持ったイベントです。

次回は、その「和牛甲子園」の会場へ、生徒の皆さんがたっぷりの愛情を注いで大切に育てた牛を送り出す「搬出作業」や、和牛甲子園当日の様子などもお届けする予定です。是非ご覧くださいね!




<おまけ>
カメラ目線の素敵なサービスショットもいただきました。
先生、生徒の皆さん、取材へのご協力ありがとうございました。