葉ショウブ

ショウブは池、川などに生える単子葉植物の一種。ユーラシア大陸に広く分布し、日本を含め東アジアのものは変種とされています。薬草・漢方薬としても用いられます。
茎は湿地の泥の中を短く横に這い、多数の葉を伸ばします。葉は左右から扁平になっており、花は目立たない黄緑色の肉穂花序で5月頃に咲きます。花序の基部には包が一枚つきますが、これも花茎の延長のように伸びるため葉の途中から穂が出たような姿になります。

中国では古来より、ショウブの形が刀に似ていること、邪気を祓うような爽やかな香りを放つことから男子にとって縁起のよい植物とされ、家屋の外壁から張り出した軒に吊るしたり、枕の下に置いて寝たりしていました。

日本でも奈良時代の聖武天皇の頃より端午の節句に使われ始め、武士が台頭してからは「しょうぶ」の音に通じるため「尚武」(勝負にも通じる)という字が当てられるようになりました。また芳香のある根茎を風呂に入れ、菖蒲湯として用いたりしました。ショウブは昔から病邪を祓う薬草だと考えられていた中国の書物「荊楚歳時記」にも、古くから中国の人々が長寿や健康を願ってショウブを用いていたと記されています。

昔から端午の節句の日というのは、春から夏への変わり目と考えられていました。そのため季節の変わり目というのは体調を崩しやすいものだと見なされていたため、菖蒲湯に入るという習俗につながりました。江戸時代の日本の銭湯にも「五月五日菖蒲湯仕候」という紙が貼り出され、長屋庶民も銭湯に行って菖蒲湯を楽しんだという記述が残っています。

主な産地

ウィキペディアより一部抜粋