365日いつ食べても
美味しいさつまいもが
食べられるには秘密がある

会長 渋谷さん
今まさに収穫期の真っ盛り、さつまいもの一大産地JAなめがたを訪れました。
見渡す限りさつまいも畑が連なります。
会長の渋谷さんは、さつまいも作り35年の大ベテラン。もともと麻生地区はタバコ葉の生産農家が主流でしたがその傍ら、さつまいも作りも行なわれてきました。
近年のタバコ需要の減少から当時生産に関わっていた農家の95%がさつまいもの生産に本腰を入れ始めたのが約10年前。
元々この地域は、肥沃な関東ローム層の赤土からなり土の水はけがよくさつまいもの生産に適した土地柄で、赤土で作られたさつまいもは赤紫の綺麗なさつまいもになります。

一口でさつまいもと言っても、その時期時期に応じた品種の出荷体制を整えているのが、ここJAなめがたの強み。
「紅優甘」を始め「紅まさり」「紅こがね」と品種の特徴を研究し尽くし、県・JA・生産者が三位一体となって消費者に喜んでいただけるさつまいも作りを目指しています。
このような真摯な取組が近年消費者や大手スーパーにも認められ、全国で販売されるようになったと、渋谷さんが笑顔で答えてくれました。

キュアリング処理を施して低温貯蔵
JAなめがたでは焼き芋用として4銘柄を出荷しており様々な味を楽しむことができます。
一番手として収穫後早い段階で甘みがピークを迎える「紅優甘」。
さつまいもには珍しい果糖とブドウ糖が多くふくまれ、さっぱりとした甘さの「紅まさり」。
貯蔵することでおいしさが増す「紅こがね」。
さらに「熟成紅こがね」は収穫後、キュアリング処理を施して低温貯蔵されることにより長期間美味しく食べてもらえるよう技術と知恵が結集されています。
キュアリング処理とは、いもの表皮下に並んだコルク層の組織を何層にも増やす技術で、長期間保存することにより糖度が増して更に美味しくなるのです。
365日いつ食べても美味しいさつまいもが食べられる秘密はこんなところにあったんですね。

さつまいもの表面に黒い蜜のようなあとが付着しているのを見かけたことありませんか?
これは『ヤラピン』という成分で、いもを切った時に出てくる白い液体が時間の経過に伴い黒く変色します。
出荷時には綺麗に洗浄されますが、活性が高い元気ないもからは『ヤラピン』が多いようです。安心してご賞味ください。
さつまいもと言えば、石焼きいもを連想しますが、この石焼きいもが美味しいのにはちゃんとした理由があるのをご存知でしたか?
石焼きいもが甘くて美味しくなるのは焼きあがりまでの時間に関係します。さつまいもにはデンプンを分解して麦芽糖という甘味成分に変える「β―アミラーゼ」という酵素が含まれており、これは70℃前後で活発に作用するため、この温度帯をいかに長く保持するかが美味しく焼くポイントになっています。
電子レンジで短時間、焼いたさつまいもが石焼きいもに比べて甘さが少ないのはそのためなんです。
焼きいも屋さんがじっくり焼きあげているのには、ちゃんとした理由があるんですね。
これからどんどん寒くなっていく季節、JAなめがたのさつまいもを使って、美味しい焼きいも作りに挑戦してみてはいかがでしょう?
取材協力
JAなめがたしおさい
〒311-3832 茨城県行方市麻生3346-25
- TEL :
- 0299-72-1877
- FAX :
- 0299-72-1112
- WEB :
- https://ja-ns.or.jp/
※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。