四半世紀にかける情熱

組合長 沼田弘樹さん
小美玉市で3代に渡ってカーネーション作りに励む、常陸野カーネーション組合の組合長沼田さんを訪ねました。
カーネーションを生産する産地としては、北の方に位置するため、ハウス内の温度管理には神経を使い、現在では燃料代の高騰も悩みの種となっています。
また、病害虫の防除にも苦労されており4年前には全てのハウスに広がり、壊滅的な打撃を受けました。しかし、それらを克服した現在は、素敵な花を咲かせています。
毎年40万本を超えるカーネーションを生産し、カーネーション作りにひたすら情熱を注いでいます。
花の三大品目
もともとカーネーションは、花の三大品目と呼ばれ、キク、バラに次ぐ人気の花です。カーネーションは、実は非常に品種が多い花でもあります。沼田さんはチャレンジ精神が旺盛で、毎年オリジナル品種の開発にも力を入れ、今では自らのオリジナル品種が10数種類にも及ぶそうです。
良いカーネーションの条件
沼田さんが作るカーネーションは、茎がしっかりしていて真っすぐで、ガクが綺麗なものばかり。
また口コミで「沼田さんのカーネーションは日持ちがする」という噂が広まり、指名買いのリピーターもいるそうです。消費者から直接届く声が生産の励みにもなり、沼田さんのモチベーションにも大きく影響しているそうです。
「茎がしっかりしているカーネーション作りの条件は、寒暖の差をしっかりつけてあげることと毎日の手入れ。」「元気に健康で育ったカーネーションは人間と同様、長生きするんだ」と笑顔で答えてくれました。
母の日にはカーネーションを
5月第2週の日曜日は母の日。今年は5月12日です。母の日にカーネーションを贈る習慣は今となっては当たり前ですが、始まりは古く、20世紀初頭のアメリカの時代から始まったものです。また、カーネーションは「母への愛の象徴」と古くから言われているため、母の日にカーネーションが選ばれています。
しかし、年々その素晴らしい習わしが薄れてきているようにも感じます。沼田さんが作られたカーネーションのように、元気で健康に育ててくれたお母さんに日ごろの感謝の言葉を添えて、今年は綺麗なカーネーションをプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
取材協力
※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。