歴史ある梨の銘柄産地

総務部長 海老沢 守男さん
茨城県西部に位置するJA常総ひかり下妻地区は、茨城県の梨の銘柄産地に指定されている梨栽培の盛んな地域です。
今回は下妻第二梨選果場で総務部長をされている海老沢さんを訪ねました。
出荷がお忙しいなか、下妻梨の歴史についてお聞きすることができました。
栽培が始まったのは江戸時代末期、安政4年頃からだと言われており、約150年の歴史があるそうです。商業化したのは昭和30年代頃からで、昭和40年代までは「長十郎梨」という品種が主流でした。それ以降、現在主流の「幸水」へと代わっていきました。
この地域の栽培割合は、「幸水」7割、「豊水」2割、「新高」1割となっており、7月下旬から約3カ月にわたり、様々な品種の梨が出荷されていきます。
収穫は1年間の集大成
梨栽培は土づくりから始まります。収穫が終わったら土壌診断を行い、それぞれの圃場に合った土地改良を行います。
冬の間の剪定作業は大事な作業で、ここで手を抜くと収穫に大きく影響してしまい、『1年通して、いくら手を入れても終わりがないんですよ』と海老沢さんはおっしゃいます。
「幸水」の出荷時期は約1カ月ですが、1年間休みなく圃場の管理を続ける農家の苦労は、みずみずしく大きな梨が出来た時に報われます。
産地の若返りを目指す取り組み
昭和60年代には120軒あった梨農家も現在は半分ほどになって、後継者不足が問題となっています。しかし、行政からの後継者育成事業で助成金が支給されるようになり、少しずつ若い人たちが、梨作りに取り組むようになってきました。
梨を使った加工品や、梨のリキュールなど生食以外での取り組みも最近では増えてきており、この秋には大手有名パンメーカーから梨ジャムを使った加工パンが限定で販売されますので、こちらも楽しみです。
今年は特に大玉傾向で、例年は平均糖度が12度のところ今年は13度以上もあるため、美味しい梨に育ちました。旬の美味しさを是非ご賞味ください。
取材協力
JA常総ひかり 下妻第二共同選果場
〒304-0016 茨城県下妻市数須209
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