5,000坪を誇る県内一の農場

株式会社 みずは 栁澤 浩二さん
常磐自動車道土浦北インターに近いJA土浦 施設園芸水耕栽培みつば部会の栁澤さんを訪ねました。ご家族で水耕栽培を始めて30年、その規模は5,000坪を誇ります。元々は花の栽培用にガラスハウスを建て、そこで花の栽培を行っていたものをみつば用に改築し本格的にみつば栽培を行うようになりました。
茨城県内では最も早く水耕栽培を始めた栁澤さん。先駆者ならではの苦労もあったようで、現在では全国のみつば栽培農家とネットワークを作り様々な情報交換を行い、販売に向けた取り組みを行っています。
周年栽培ゆえの悩み
ガラスハウスでの栽培のため365日、毎日収穫が行われます。特にお正月は需要が増える時期で、現在が最も繁忙期となっています。室内は15℃に保つように加温していますが、近年の燃料油の高騰により「頭が痛いですよ」と栁澤さん。土を使わない水耕栽培のため、雑草が生える心配はありませんが、病気や害虫から守るために、温度管理や水質などには細心の注意を払っています。
種から発芽させ生育、選別、梱包から出荷まで一元管理して行うことで、常に高品質でバラツキのないみつばを出荷することができるため市場からも高評価を受けています。
香りと食感を味わう
近年、関東でも認知されてきた恵方巻ですが、発祥の地、関西では、恵方巻にみつばが使用されています。まっすぐに伸びたみつばは巻物の大きさにちょうどいいサイズで、その香りと食感が好まれ古くから使われてきました。しかし関東ではみつばの代わりにキュウリを使うのが一般的であり、栁澤さんは「本当の文化継承なら、是非みつばを使ってほしい」とおっしゃっていました。
また、お勧めの食べ方をお聞きしたところ、「普段食べているたまご焼きに、みつばを細かく刻んで入れるだけで、香りも味も一層おいしく召し上がれます」とのこと。和風ハーブの異名をとるみつば、様々なシーンで活躍してくれそうです。
取材協力
※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。