美浦のマッシュルーム

菅佐原芳夫社長

菅佐原徹哉専務
霞ヶ浦の南部に位置する美浦村に茨城県では最大規模を誇る、芳源ファームのマッシュルームプラントがあります。もともとこの地域には日本中央競馬会(JRA)のトレーニングセンターがあり、厩舎で使用された敷き藁を有効活用することで、マッシュルームの栽培が行われてきました。
以前から「美浦のマッシュルーム」として栄えてきましたが、茨城マッシュルーム組合が撤退してしまい、その後、千葉県で実績のある芳源ファームにより「美浦のマッシュルーム」生産は引き継がれました。現在では品質や生産量において、全国トップクラスを誇っています。
『以前はマッシュルームと言うと缶詰のイメージでした』と語る菅佐原専務。生鮮物としてのマッシュルーム作りは、消費者の既成概念払しょくとの闘いだったとも言います。
45年のマッシュルーム作り
親子三代にわたりマッシュルーム作りに携わってきた菅佐原さんは、「消費者にどうしたら、マッシュルームが受け入れられるようになるか」試行錯誤を繰り返し、正面から消費者に向き合って製品作りを行うようになったと言います。
欧米では、「きのこと言えばマッシュルーム」と言われるほどにまで浸透していますが、日本では風味がほとんどない中国産の缶詰がマッシュルームの味として定着してしまっていました。
そこで菅佐原さんは一から栽培方法や品質管理を見直し、消費者目線での生産を開始、おいしいマッシュルームをおいしく食べてもらうPRも行ってきました。
その甲斐あって、現在では市場やマッシュルームの本場フランスからも高評価を受け365日毎日出荷できる体制になっています。
現在の目標は東京五輪
『2020年に東京五輪が開催されることになり、多くの外国人が来日されることになります。その時来日した人々に、日本のマッシュルームはすごい!と認められたい』と菅佐原さんは笑顔でおっしゃっていました。様々な困難を乗り越え、真摯にマッシュルーム作りを行ってきたからこそ、自信を持って言える言葉だと思います。
最後にお勧めの食べ方を伺ったところ、意外にもそのままスライスし味噌汁の具材にすることだと聞いてびっくり。試しに味噌汁にスライスして入れてみましたが、貝でだしを採ったような深い味わいになりました。簡単ですのでみなさんも是非お試しください。
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