オトメメロンの一大産地

福島 久夫さん
茨城県の中央部に位置するJA水戸 茨城町メロン部会の福島さんの圃場を訪ねました。
茨城県はメロン生産日本一の産地でもあり、そのメロンのトップバッターとして、オトメメロンが収穫・出荷最盛期を迎えています。元々、市場からの『早い時期にメロンの生産はできないか』という要望を受け、種苗メーカー2社によって共同開発されたのが、このオトメメロンです。オトメメロンの特徴を福島さんに尋ねてみました。
「アンデスメロンやクインシーメロンも、もちろん美味しいのですが、このオトメメロンは、爽やかな甘さと後味の良さが特徴で、食べ飽きないメロンに仕上がっています。」とのこと。
県内でのオトメメロンの約6割は、ここJA水戸 茨城町メロン部会で生産されています。加温しないビニールハウスの中は温度調節のため、四重にビニールが重ねられています。それを1枚1枚調整する作業は、かなりの重労働になりますが、美味しいメロン作りには欠かせない仕事です。
銘柄産地の使命として
JA水戸 茨城町メロン部会の部会員は現在51名。メロンの生産のため、部会では常に情報の共有化を行っています。また、エコファーマーの認定を受けているため減農薬に取り組んで安心・安全なメロンを生産しています。
現在では一部の生産者に後継者が育ってきており、「銘柄産地の使命として今後も継続・発展させていきたい」と福島さんは語ります。福島さん自身も息子さんが後継者として手伝ってくれるようになったため、「早く自分を引退させて欲しい」と笑いながら答えてくれました。
またJA水戸との信頼関係もいいメロン栽培に貢献しているといいます。初出荷の時期に各担当者がそれぞれ圃場に向かい、それぞれのハウスで糖度検査を行い検査に合格してはじめて収穫され出荷されていきます。
産地の連携と地元JAの管理が徹底しているからこそ、品質が一定で消費者に愛されるメロン作りができるのだと感じる事ができました。
次の目標は後継者どうしの交流
世代交代が進みつつあるものの、まだまだ後継者に悩む農家も多いのも事実。そんな中、福島さんの時代は周囲がほとんどメロン農家だったせいもあり、分からないことは、どんどん他人の圃場に行きアドバイスを求めた時代でもあったそうです。でも現在は農家も減り、同年代の農家も少なくなっていることから、若い次の世代がいいメロンを作るための情報交換や昔ながらの交流を盛んにできるようにすることが目標だそうです。全国的にもメロン産地として、是非その目標が達成できるよう願うばかりです。
今、旬を迎えた爽やかな甘さを行楽シーズンのお供として、JA水戸 茨城町メロン部会のオトメメロンをぜひ、召し上がってみてはどうでしょうか。
取材協力
JA水戸 ひぬま営農資材センター
〒311-3138 茨城県東茨城郡茨城町城之内684-1
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