年間200万本ものグラジオラスを出荷
常磐自動車道土浦北ICに近い、JA土浦 花き部会の萩島さんを訪ねました。萩島さんの家でグラジオラスの生産が始まったのはおよそ30年前。アメリカに球根を輸出するという父親の仕事を引き継ぎ、自分でも徐々に栽培を始めました。今では、年間200万本ものグラジオラスを出荷しています。
グラジオラスには様々な種類がありますが、白やピンクの需要が高く、人気があるそうです。大型の花で背丈も大きいため、家庭で飾る用途にはあまり適していませんが、冠婚葬祭、イベント、講演会などの飾りつけを中心に引き合いがあります。
圃場をローテーションしながらの栽培
グラジオラスは球根を定植してからおよそ80日間で収穫を迎えます。花いっぱいの圃場を想像する人もいるかと思いますが、花が咲いた状態では商品にならないため、つぼみのうちに収穫し予冷庫に保管された後、出荷されます。
グラジオラスは同じ圃場での栽培を続けると連作障害を起こし、生育不良になることから、翌年は稲作に使用するなど輪作を行い、圃場のローテーションにも気をつかっているそうです。
消費者のニーズに応える取組み
全国でもトップの生産量を誇る萩島さんですが、「もっと一般の人にもグラジオラスのある生活を届けたい」ということで、通常のグラジオラスよりも小さくて花持ちが良く、飾りやすいことを目標に、ミニグラジオラスという品種の栽培にも力を入れています。試作を繰り返すため開発には長い年月がかかりますが、数年後には街のお花屋さんで「ミニグラジオラス」を見かけることができるかもしれません。
また、沖永良部島の生産者とも交流があり、お互いに情報交換を行うとともに、茨城県独自の品種の球根を提供し、年間を通じてオリジナル品種を市場に流通させるといった取組も展開しているそうです。
多くの品種があり、様々な色で私たちの目を楽しませてくれるグラジオラス。お花屋さんで見かけた際には、ぜひ購入されてみればいかがでしょうか。
取材協力
※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。