レッドポアローはこの地域に伝わる野菜で、伝統的に栽培が続けられてきました。
木村さんに聞くと、「昔、水戸光圀公がこの地を訪れ、この土地にはこの種が合うということでレッドポアローの種を置いていった」という伝説が残っているそうです。

水戸光圀伝説が残る地

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JA水戸 レッドポアロー部会
部会長 木村昊さん

水戸市の北東に位置する城里町・桂地区にある、JA水戸 レッドポアロー部会の部会長 木村さんを訪ねました。

ポアローとはフランス語でねぎの意味で、赤ねぎの事を言います。レッドポアローはこの地域に伝わる野菜で、伝統的に栽培が続けられてきました。木村さんに聞くと、「昔、水戸光圀公がこの地を訪れ、この土地にはこの種が合うということでレッドポアローの種を置いていった」という伝説が残っているそうです。

部会の創設は昭和初期頃からと言う歴史ある部会で、木村さんが現在三代目。生産者全員がエコファーマーの認定を受けています。

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食の世界遺産にも登録

桂地区のレッドポアローは、「味の箱舟(アルカ)」に認定されている希少な在来品種です。味の箱舟プロジェクトとは、各地方の伝統的かつ固有な在来品種や加工食品などの食文化を、世界共通のガイドラインで選定し、消費や流通・プロモーション活動などの支援策によってその生産や消費を守り、地域における食の多様性を守ろうという取組みで、食の世界遺産とも言われています。日本では32品目が認定されており、茨城県で認定を受けているものは桂地区のレッドポアローのみです。

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畑の風景を見るだけでは、通常のねぎとの違いは分かりませんが、掘り起こし、土を払いのけると鮮やかな赤い姿が現れます。那珂川流域の沖積土壌を活かした土づくりを行い、自家採集し選別した種だけを使って育てているそうです。

このため、昔ながらの姿や味を維持できているそうですが、赤い部分を伸ばすために行われる土寄せの作業や、収穫作業などの全てが手作業で行われていることから、手間が敬遠され、後継者がなかなか育たないそうです。

伝統野菜「レッドポアロー」を維持していくためにも、もっと部会員を増やしていくことが木村さんの目標だそうですが、現在いる部会員15名の平均年齢は75歳と高齢化が進んでいます。

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一度食べたら病みつきに

生産量がある程度限定されるため、希少価値のあるレッドポアロー。東京都江戸川区からは区民祭に毎年招待され販売を行っていますが、オープンと同時にすぐに売り切れになってしまうほどの大人気だそうです。

茨城県内では地元、城里町のAコープで購入が可能とのこと。店頭には、毎朝採れたてのレッドポアローが並びます。通常のねぎより甘みがあるため、生でもおいしいですが、焼きねぎ、鍋ものなどこれからの季節のお料理にもピッタリです。3月下旬ごろまで収穫の最盛期が続きます。 ここでしか味わえない一品。茨城県の伝統野菜「レッドポアロー」を購入してみてはいかがでしょうか。

取材協力

JA水戸 かつら営農資材センター

〒311-4344 茨城県東茨城郡城里町阿波山2737

TEL :
029-289-2712
FAX :
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