地形が育んだ県内一の生産地

部会長 大里記一さん
北浦に隣接するJAなめがたの北浦地区生姜部会の大里さんの圃場へ伺いました。この辺りは、平らな土地が少なく大きな畑がないことから、露地栽培には厳しい土地柄で、昔から、ハウス栽培で反収を上げる方法を取り組んできました。28年前、大里さんが学校を卒業したのをきっかけに、父親と一緒に始めたのがこの『葉しょうが』だったそうです。
『葉しょうが』は、まだ若いものを収穫するため、みずみずしく辛みが少なく、初夏を思わせるような爽やかな味わいを楽しむことができます。
JAなめがたの『葉しょうが』生産量は県内トップクラス。冬場の1月初旬頃、種生姜の植付けが始まり、約3カ月から4カ月程度で収穫の時期を迎えます。収穫は、4月~7月中旬ごろまで続きます。
家族総出の収穫
『葉しょうが』にとって、大事な作業は毎日の水やりです。水やりは、日が昇る前か、日が暮れてから行わなければならないため「時間との勝負です」と大里さんは言います。水やりは、ハウス一棟でおよそ30分程度かかる作業のため、全てを終わらせるには4時間程度かかります。収穫時期になると午前中は収穫を家族全員で行い、午後はそれを自宅作業場に運び、根を取り除き、霧状の水で土を洗い流し、選別して梱包します。
最盛期は毎日この繰り返しで、日に100ケースほどを出荷し、多くは市場を経由して東北から京浜地区で販売されています。
多くの人に知ってもらいたい
現在JAなめがた 北浦地区生姜部会員は、8名と最盛期の三分の一以下に減ってしまったそうですが、部会での取組で品質は向上しているそうです。
「若い人たちは、『葉しょうが』を知らない人も多いので、知ってもらって是非一度食べて欲しい」と大里さん。
『葉しょうが』は、そのまま味噌やマヨネーズをつけてビールのおつまみに最高です。また、豚肉を巻いてフライにしても美味しく召し上がれます。5月に入れば、県内のスーパーでも手に入るそうなので、丹精込めて作られたJAなめがたの『葉しょうが』を是非ご賞味ください。
取材協力
JAなめがたしおさい 北浦営農経済センター
〒311-1704 茨城県行方市山田3289
- TEL :
- 0291-35-3515
- FAX :
- 0291-35-3518
- WEB :
- https://ja-ns.or.jp/
※文中のJA名および部会名等は取材当初の名称が使用されています。